小日向京のひねもす文房具|第百三十一回「伝統木版工房 竹笹堂フェア at NAGASAWA梅田茶屋町店」

小日向京のひねもす文房具|第百三十一回「伝統木版工房 竹笹堂フェア at NAGASAWA梅田茶屋町店」

2018年3月1日(木)〜4月15日(日)、京都の木版工房「竹笹堂」のアイテムが、NAGASAWA梅田茶屋町店に期間限定で登場しています!

竹笹堂は京都・四条烏丸からほど近く、四条通りの路地を下った新釜座町にある木版工房です。
明治24(1891)年創業の「老舗手摺匠 竹中木版」が、木版印刷の振興とプロモーションを行う会社として平成11(1999)年に竹笹堂を設立、オリジナル製品の開発と販売を行ってきました。
竹中木版の四代目摺師・竹中清八氏は、仁和寺所蔵の国宝「孔雀明王像」の複製木版画を世界最大級最多色の1340度摺りで復刻するなど、木版摺師としてその伝統維持と発展に貢献しています。竹中氏は「現代の名工」に認定され、黄綬褒章も受章されました。
そして五代目摺師・竹中健司氏、六代目摺師・原田裕子氏へと技は継承されつつ活動を重ね、日本のみならず海外でも好評を博しているのが、竹笹堂の木版摺り製品です。
上の冒頭写真のぽち袋、懐かしい雰囲気のあるデザインと鮮やかな色彩が素敵ですよね!!

匠の木版技術を現代のインテリアや文房具に生かし、新たなアートに昇華させているところが竹笹堂の魅力。なんといっても愛らしい!
ブックカバーもこのように。▽

小日向京のひねもす文房具|第百三十一回「伝統木版工房 竹笹堂フェア at NAGASAWA梅田茶屋町店」

版型小さめ&束厚めの文庫本にも、とても良く似合っています。
和紙は繊維が長くて丈夫な素材で、手触りがやわらかく、巻きつけて開閉を繰り返す動きにも強いため、ブックカバーにもぴったりです。柄のデザインにも、木版摺りのあたたかみにも心奪われます。

木版印刷は1200年にわたり行われ続けているといい、京都では京版画から掛紙、京扇子、京うちわなど、古くから京文化に寄り添い、その技が磨かれてきました。
「木版印刷を、もっと楽しくおもしろく皆さんに親しんでもらいたい」
竹笹堂はそう願い、木版印刷を用いた商品を提案しているそうです。

小日向京のひねもす文房具|第百三十一回「伝統木版工房 竹笹堂フェア at NAGASAWA梅田茶屋町店」

こちらの便箋と封筒も極上。贈りものの添え書きや、時にはメールではなく郵便で手紙を送りたい…という場面で選びたくなる風合いです。切手を貼って、そこに消印が捺されたところを想像するだけでも嬉しくなります。

木版印刷の素敵なところは、
◆ 顔料の鮮やかな色彩がくっきりと出る
◆ 木版を受けとめる和紙のふんわりとした繊維が立体の陰影を描く
◆ 手で触れた時に、そのふんわりとした繊維と木版の凹凸を感じる
◆ その凹凸が、馬楝(ばれん)を通じた人の手作業によるぬくもりを伝えてくれる
◆ そして文字を書くと、描線や言葉を引き立ててくれる
という点にあり、木版摺りや和紙を好む人はもちろんのこと、ふだん特に意識しないという人にも「何か違うな」「なんだかいいな」と感じさせてくれるものです。

「いいな」と感じると、自分も使いたくなり、暮らしのなかに取り入れるようになります。そしてその木版印刷を受け取った人が、また使いたくなる…そのように良いものが伝播していくことで、伝統は次世代へとつながっていくのでしょう。
SNSなどの写真にも、フォトジェニックなことこのうえなし。万年筆や小型文具の背景や差し柄にも使いたくなります。それもまたこの時代ならではの伝播のスタイルなのかも知れません。

竹笹堂の木版印刷商品がNAGASAWA梅田茶屋町店に並ぶこのフェアは、3月1日からたっぷりひと月半、4月15日まで。
木版摺りの美しき品々を、皆さまぜひ満喫なさってください!

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。

文字を書くことや文房具について著述している。

『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。

著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。

「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

小日向京のひねもす文房具





小日向京のひねもす文房具|第百三十一回「伝統木版工房 竹笹堂フェア at NAGASAWA梅田茶屋町店」