この度の能登半島地震により亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
また、被災地の一日も早い復旧を心よりお祈り申しあげます。

小日向京のひねもす文房具

小日向京のひねもす文房具|第六十九回「ふたふで箋」

小日向京のひねもす文房具|第六十九回「ふたふで箋」

前回のひねもす文房具で話題にした、2016/12/2〜4開催・NAGASAWA梅田茶屋町店での「万年筆サミット2016」は大盛況のうちに終了しました。
その会場で「あれっ、発売前なのにもう出てるの?」と好評いただいたものが、あたぼうステーショナリーの新製品「ふたふで箋」です。
上の写真はその時の売場の様子で、ふたふで箋の発売は12月5日だったため、ひと足早い先行販売となったのでした。

ふたふで箋は、あたぼうステーショナリーが2015年5月に発売した「飾り原稿用紙」を小ぶりなサイズにした用箋です。こちらも飾り原稿用紙同様、hoririumさんデザイン、小日向監修です。
飾り原稿用紙についてはこちらの第十三回に書いた通りで、様々な飾り枠が施された400字詰の原稿用紙は、スマートフォンを使いこなす世代の方々にも「かわいい」「SNS投稿写真の小道具に便利」と広く受け入れられました。
2016年のISOTでは「碧翡翠」柄が日本文具大賞デザイン部門グランプリを受賞。その時の様子は第四十八回に書いています。

飾り原稿用紙はA4サイズ(210×297mm)。一方ふたふで箋は、171×168mmのほぼ正方形です。
飾り原稿用紙の発売当初から「もっと小さなサイズに手紙を書きたい!」という声がありました。どうにか愛らしいお便りサイズを商品化できないものかとあたぼうさん、デザイナーのhoririumさん、小日向で意見を出し合い、あたぼうさんは生産体制を整え、hoririumさんは新たなデザインを制作し、小日向はあれがいい! これがいい! とわーわー言って(小日向だけが楽してますね)、日々を経て完成の運びとなりました。
便箋を使うほどたくさん文は書かない、でも一筆箋では文面が1枚におさまらない…そんな時に一筆箋の短冊状を2枚ならべた大きさのふたふで箋は、しっくり使えることでしょう。
柄は「波抹茶」と「蔓葡萄」があります。

小日向京のひねもす文房具|第六十九回「ふたふで箋」

用紙は飾り原稿用紙と同じ、キンマリスノーホワイトです。20字×10行の200字詰で、原稿用紙としても十分に使えますが、枡目を無視して書く場面がほとんどであろうと横罫は破線にしてあります。文字をのせた上の写真を見ると、原稿用紙罫を味わえながらも枡目の横罫は控えめに感じられるのではと思います。
これは用箋(書状を記すために使う紙)全般に共通することですが、まだ文字の書かれていない状態の罫線と、文字を書いたあとの罫線の印象はずいぶん変わるものです。

小日向京のひねもす文房具|第六十九回「ふたふで箋」

こちらは用紙の向きを変えて、横書きにしたところです。飾り罫の模様や色と、インクの色合わせを考えてみるのも楽しいものですよね。
これらの上2点の小日向文字は、NAGASAWA梅田茶屋町店で万年筆フェス後にも売場に置いていただいているそうなので、よろしければ店頭で現物を御覧いただき「書く前の状態のもの」と見比べてみてください。罫線の印象の違いを感じとっていただけることと思います。

さてこのふたふで箋、手紙を書いた場合には二つ折りにすると、郵便定形サイズで一般的な「長形4号(205×90mm)」にスッと入ります。

小日向京のひねもす文房具|第六十九回「ふたふで箋」

そして、ここは「スライド手帳」が好評のあたぼうさんならではの点で、このふたふで箋の縦171mmは、システム手帳バイブルサイズと同じ寸法になっています。
つまりパンチで穴をあけて折り込むと、バイブルサイズのリフィルにも転用できるという!

小日向京のひねもす文房具|第六十九回「ふたふで箋」

上の写真は左から、
「二つ折りにしてバイブルサイズリフィル(グリーン紙)に重ねたもの」
「バイブルサイズの幅で外側に折り込んだもの」
「バイブルサイズの幅で内側に折り込んだもの」
です。
飾り原稿用紙は二つ折りでA5システム手帳やルーズリーフのリフィルになるのと同様に、ふたふで箋はバイブルサイズと連動させて使うのもまた、飾り罫の楽しみが広がります。

その他、小さなものを渡す時の包み紙にしたり、四つ折りにして本の栞にして読書メモも書き込んだり、半分に切って一筆箋にしたり、敷き紙にしたり。
皆さんの思いついた方法で、ふたふで箋を日々の文具使いに役立てていただけますと嬉しいです。

ふたふで箋の柄は、飾り原稿用紙ともども今後も増えていくことを切望する次第。
そのタイミングは「皆さまからの人気の度合いと、弊社の在庫の置き場によります」とのあたぼうさん談で。
これからも御愛顧のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます!

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

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