小日向京のひねもす文房具|第五十八回「毎日を付箋とともに」

第五十八回「毎日を付箋とともに」

暮らしの様々な場面で、思わず手をのばすのが「付箋」です。
ページの目印に、箇条書きメモに、メッセージに、分類ラベルにと、八面六臂の働きをしてくれます。これがなければ色々と生きづらい! という文房具のひとつなのではないでしょうか。

人によっては付箋に書いたものをノートや手帳に「仮り置き」して、必要ならば移動できる記述紙面に使うこともあるかと思います。
あるいはいざ書類の分類確認…という時に一気に消費して、しばらくは微量使いという人もおられるのでは。
そんな様々なケースに応じた付箋の使い途アイデアを一堂に挙げた本が、2016年9月20日(火)に刊行されました。そちらが冒頭写真にある『仕事、人生がはかどる! ふせんの技(ワザ)100』(エイ出版社刊・1,200円+税)で、著者は手帳評論家として知られる舘神龍彦さんです。
〝ふつうのふせんの活用技から 技アリふせんの楽しみ方まで〟との惹句の通り、読んでいると「ああ、これやってみよう」と思ったり、「この付箋、ナガサワ文具センターで見てこよう」と思ったり。それを書き留めておいたり本に栞をつけておくためにまた、付箋に手を延ばしたり。
めくるめく付箋生活にどっぷりはまることのできる一冊です。

第五十八回「毎日を付箋とともに」

さて付箋といえば上のように、本のページに目印として貼ったものが、厚みでわさわさしている様子など素敵ですよね。たくさん付箋を貼りすぎると全部が目印のようになってしまい「これじゃあ貼ってないことと同じじゃないか!」なんて涙目になるものですが、本来の紙束の厚みさえも増してしまうほど貼り重ねられた付箋にもまた、愛くるしさがつのります。

第五十八回「毎日を付箋とともに」

小日向はだいたい「これをメモしておこう」という情報の中で「あとでパッと参照したい」と思われるものは付箋に書き、すぐ参照できそうな場所に貼っておきます。たとえば上の写真のような、手帳の開きやすい見開き部分などに貼ります。そんな時にはやっぱり、付箋が便利ですよね。
手帳の用紙に記述スペースがあっても、とにかく目立たせたい! という覚え書きは付箋に記し、端をわざと目立たせるように手帳からはみ出すように貼って「リマインダー」代わりにします。斜めに貼ってもなお良し。紙自体が存在を主張してくれる付箋は、絶えず目に留まりものごとを思い出させてくれます。
場合によっては財布の中や、スマートフォンの裏側に貼っておくことも。忘れさせないのが付箋の大事な機能のひとつです。

色鉛筆を使う作業の時には、やるべきことを缶ケースの蓋に貼っておいたり。▽

第五十八回「毎日を付箋とともに」

予備の付箋や、使い終わった付箋を缶ケースの蓋内側に貼っておいたりもします。▽

第五十八回「毎日を付箋とともに」

使い終わった付箋は、色鉛筆の線慣らし用にします。付箋の裏側だってまだ使えるのだから、有効利用したいと思うわけです。
走り書きをし、目的の場所に貼って、さらにその役目を終えた付箋ははがしてごみ箱へ行くこととなりますが、その頃のよれっとぐったりした付箋もまた愛らしく、なかなか手放すことができません。ならば最後の別れに試し書きの紙として使おう…と、こうしたところに貼っておきます。

第五十八回「毎日を付箋とともに」

ボールペンで書きながら、ダマを取るためにも付箋を使います。書いている付近に1枚貼っておき、その都度芯先をなすりつけて余分なインクを取るという。これは自分が右手で書く時には少々軸を寝かせて書く癖があり、ボール芯にインクがたまりがちなためです。

このように、ちょっと日ごろの付箋使いを振り返るだけでも、付箋は色々な場面で役に立ってくれているんだな…と実感します。
付箋はサイズや色もさまざま。近年ではイラストが印刷してあるものや、ToDoリストなど使途に特化した作りのものも増えました。
自分にぴったりくる付箋を選んで、日々の暮らしをますます充実させましょう!

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

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