小日向京のひねもす文房具

小日向京のひねもす文房具|第百四回「あたぼう ふたふで箋《碧翡翠》発売!」

小日向京のひねもす文房具|第百四回「あたぼう ふたふで箋《碧翡翠》発売!」

あたぼうステーショナリーより2017年8月、「碧翡翠」のふたふで箋バージョンが発売となりました。ナガサワ文具センターにも、神戸煉瓦倉庫店をはじめ店頭に並びはじめています。
ふたふで箋は、A4サイズ400字詰の飾り原稿用紙を小さなほぼ正方形サイズにした用箋です。これまでのあらましを述べると、
◆ 2015年5月 飾り原稿用紙を4柄(波抹茶・黒雷公・桃雲流・蔓葡萄)で発売
◆ 2015年12月 飾り原稿用紙新柄・港煉瓦を発売
◆ 2016年4月 飾り原稿用紙新柄・碧翡翠を発売
◆ 2016年7月 ISOT 日本文具大賞デザイン部門で飾り原稿用紙 碧翡翠がグランプリを受賞
◆ 2016年12月 飾り原稿用紙を小さな171mm×168mmで200字詰にした、ふたふで箋を2柄(波抹茶・蔓葡萄)で発売
◆ 2017年3月 新柄・金鶯錯を飾り原稿用紙・ふたふで箋で同時発売
◆ そして2017年8月 ふたふで箋 碧翡翠が発売
という流れで、このかん2016年12月にふたふで箋が新発売となった折には「碧翡翠の柄はないのか!」との声があがり、また2017年3月に金鶯錯が飾り原稿用紙とふたふで箋で新発売となった折にはいよいよ「碧翡翠より先に新柄がふたふで箋で出るのか!」という話にもなったものでした。
ようやく待望のふたふで箋 碧翡翠が発売になってくれた…というわけなのです。私も首を長くして待っておりましたよ! あたぼうさん、ありがとうございました!

過去のひねもす文房具を振り返ると、飾り原稿用紙版の碧翡翠については第三十七回に、ISOT 日本文具大賞2016での飾り原稿用紙 碧翡翠については第四十八回に書きました。
また、ふたふで箋の紹介は第六十九回に、またふたふで箋 金鶯錯については第八十六回に書いています。併せて御覧いただけますと幸いです。

さてひとつここで、飾り原稿用紙とふたふで箋の柄をおさらいしてみましょう。

小日向京のひねもす文房具|第百四回「あたぼう ふたふで箋《碧翡翠》発売!」

○のあるものがふたふで箋の現行柄となっており…早く全柄が揃って欲しい!
という上の一覧は、せっかくなのでふたふで箋をシステム手帳リフィルにして書いてみました。
上に引用の第六十九回にも書いた通り、こちらのふたふで箋の天地の長さは171mmで、バイブルサイズの天地と同じです。バイブルサイズには天地170mmのリフィルもありますが、スライド手帳を作るあたぼうさんのバイブルサイズは天地171mmのため、そちらに合わせてあります。ふたふで箋を折ってパンチで穴をあければリフィルにもなる…という作りは、発売以来システム手帳好きのかたがたにも好評となっています。

左右の折る位置は、中央二つ折りにするとバイブルサイズリフィルの左右95mmよりも幅狭の84mmになります。バイブルナローサイズは左右80mmなので、それよりもいくぶん幅広になりますが、幅に余裕をもって作られているナローサイズのバインダーには挟めますね。
また、ふたふで箋を開いた時に穴が片方だけになるようにして、幅95mmのところで二つ折りにする方法もあり、発売以降SNSを見ていると、そちらの方法でリフィルになさるかたも多いようです。

小日向京のひねもす文房具|第百四回「あたぼう ふたふで箋《碧翡翠》発売!」

小日向は、ふたふで箋をこのようにノートに挟んだりもします。このページに補足したいけれどスペースがない! という時や、「ん? 紙が貼ってあるぞ? どれどれ」と思い出させる注意喚起のためで、いわば巨大付箋のような位置づけ。それでいて薄紙のふたふで箋はノートの厚み増にさほど響かず、自然に目立たせてくれます。本気で目立たせたいようなら、引き出し式に折って貼ったりしても良いですね。
こういう時にはマスキングテープが活躍してくれるものです。

システム手帳、ノートとの合わせ使いを紹介しましたが、ふたふで箋の原点は「ひとふで箋よりもうちょっと書けるから、ふたふで箋」というもの。届け物のメッセージに、プレゼントに添えるひとことに、飾り罫がさりげなく華を添えてくれます。

新発売の碧翡翠も四隅にたたずむカワセミが愛らしく、中央柱の小魚をくわえて飛び立つ姿は勇敢で、爽やかな色もあいまって清々しい書面の仕上がりになることでしょう。
ふたふで箋に一筆、いや二筆、大切な気持ちを綴ってみていただきたいと思います。

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

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