前回に続いて、ナガサワオリジナルの「手元に置きたくなる小物たち」beside〈ビサイド〉シリーズから今回は「ジョッター」について書くことにいたします。
ジョッター(jotter)とはメモ帳の一種を指し、【jot】は「ざっと書き留めておく」ことを意味する英語です。パーカーに「ジョッター」という名のボールペンとシャープペンシルがありますが、あれらも筆記具でこそあれ同じく「ざっと書き留めておくもの」を意味します。
メモ帳であるこちらのジョッターには表紙がなく、プレート状のホルダーにバラの紙を差し込んで使います。バラの紙は「情報カード」の名で売られている、5インチ×3インチサイズの紙・通称「5×3(ごーさん)カード」がぴったりと合い、各種メーカーから様々な紙厚のものが発売されているので、売場で御確認ください。
なぜジョッターをメモ帳と呼ばず、ざっと書き留めておくことができるのか。
その理由が、このホルダーの形状にあります。
◆ プレート状でポケットにスッと入り
◆ 片手でサッと出して
◆ すかさずパッと書いて
◆ 書き込みがいっぱいになったらチャチャッと紙を補充する
という素早さで記述できるという逸品。
上の手順を読んで、「ポケットから出し入れしやすくて、すぐに書けるのはわかる。でも紙の補充には時間がかかるんじゃない?〝チャッチャッと〟できるの?」と思われたかたもいることでしょう。
鋭い! そこなのです。
──優れたジョッターは、紙の抜きさしまで素早くできる──
というのがジョッター一番の選びどころであり、このbesideのジョッターはそれを叶えてくれる作りとなっているのです。
紙をさす手順はこうです。まず片方に入れて、▽
次に反対側に入れる。▽
これだけの動作ですが、これが良いものでないとなかなか瞬時にいかないところ、besideのジョッターには大満足。紙を外す時には、この逆の動作となります。
外した紙は、取り急ぎ裏側にあるポケットに収納。▽
こんな薄いプレート状なのに、収納ポケットまであるのだからなお嬉しい。
紙は厚さによって複数枚セットしておくと良いでしょう。
書いたら外してポケットに移し、紙が減ったら補充をして、時間のある時に紙の分類をしながら使います。バラの5×3カードは、書いたあとに手早く分けておけるのが良いところ。テーマ別でひとまとめにしたら、その紙を広げたり、並べ替えたりしてテーマを練るのにも活躍します。
そんな5×3カードの活用については、また別の機会にじっくりとお話しできれば幸いです。
さて前回話題にした通り定番6色+限定1色のラインナップが揃う、このbesideシリーズ。なかでもジョッターならば、手早く記述するためにも「複数使い」をするのは大変便利です。
鮮やかな色みを組み合わせて、「打合せのメモには北野坂ナイトブルー」「ToDoリストには学園都市フレッシュグリーン」などとするのも良いですし、ひとつは記述用、もうひとつは参照用といった風に、よく見返す必要のあることを書いて入れておくのにも役立ちます。
そしてもうひとつの楽しみが、beside革製品の購入時に入れてある化粧箱。
なんとこちら、色ごとに揃った化粧箱が用意されているのです。
これは箱ごとbeside色を楽しみたい!
ジョッターの入っていたサイズなのだから、書いた5×3カードを仮置きしておく収納箱として使うのもいいですね。蓋を裏返せば、2枚のトレーにもなります。
などなど、様々に可能性が広がるジョッターとbesideシリーズ。
最後に限定色・元町ルージュがあるbeside製品を以下に挙げましょう。
数あるbesideシリーズのうち、一部のアイテムのみに元町ルージュ色の扱いがあるためです。
※元町ルージュは限定生産につき、無くなり次第終了となります。
《牛革》
・ メモS(ロディア No.11サイズに対応)
・ メモM(ロディア No.16サイズに対応)
・ ボックス型名刺入れ(標準紙厚の名刺約30枚を収納可)
・ ポケットティッシュケース
・ ネームホルダー(長さ80cmのストラップ付き)
・ ブックカバー(高さ152mmの本まで収納可)
・ ジョッター(情報カード5×3サイズに対応)
・ パスケース
・ 革巻きボールペン(0.7mm・黒インク)
・ 革巻きシャープペン(0.5mm芯)
《エクセーヌ》
・ トラベラーズポーチS・M・L
・ トラベラーズペンケース
・ トラベラーズブックカバー(高さ152mmの本まで収納可)
・ ペンシース(2本差し・収納ペン径21mmまで対応)
・ 三角ペンケース
・ バンド付ペンケースA6・A5・B5
神戸の象徴であるポートタワーをモチーフにしたインクカラー・元町ルージュがbeside製品に限定色として加わったのは、Kobe INK物語発売50色となった2015年のことでした。
他の定番6色については、シリーズ全アイテムが紹介されたこちらのページを御覧ください。
besideを手に神戸を旅するもよし、神戸でbesideを選んだらそのまま旅気分で日常生活に戻るもよし。日々の文房具生活を色とりどりに、楽しく過ごすことにいたしましょう!
今回紹介した商品はナガサワ文具センター公式オンラインショップでお求めいただけます。
「beside〈ビサイド〉ジョッター」
小日向 京(こひなた きょう)
文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。