2017年8月1日(火)にカクノ透明ボディが発売になる! というニュースが駆け巡ったのはつい先日のこと。まもなくその日を迎えようというこの7月下旬、7月25日(火)にラ レットル ドゥ神戸で透明ボディを含むカクノへの無料名入れイベントが開催されたのち、ナガサワ文具センターでは他店舗でもすでに透明ボディが発売になっているとの情報が。
発売日直前の週末をいっそう色濃く過ごせる! というわけで、小日向がこのところTwitterやInstagramにアップした画像を中心に、カクノ透明ボディを紹介します。
字幅はEF、F、Mの3種類。…あれっ、カクノって字幅FとMの2種類だったのではないの? と思うものですが、今回の透明ボディ発売に合わせて、透明ボディのみならずホワイトボディ(ソフトピンク、ソフトブルー、ソフトバイオレット、ソフトイエロー)にも新たにEFが加わるのだそうです。手帳のこまごまとした記述にも、EFがあればなお心強いですね!
何はさておき、今回の透明ボディで嬉しいのは「インクタンクがまるごと見える」という点。インク残量がすぐわかる! 軸をぐるぐる回してインクと戯れられる! そして上の写真にもあるコンバーター・CON-40を使って、色々なボトルインクと合わせられる! そうなると、NAGASAWA Kobe INK物語シリーズがますます楽しくなるわけで…もうときめきが、止まりません。
新たな字幅EFには、CON-40にKobe INK物語 No.54 五色山オークルを入れました。
五色山オークルは淡めの色合いで太字にも映えますが、極細線にするとまた違ったシアー感のあふれる表情を示してくれます。速度をつけた記述でもインクが途切れることのないフローは優秀。カクノの実力を感じます。カクノおなじみのペン先の顔模様は、透明ボディでは舌を出しているところが愛嬌抜群。「透けてるボディになっちゃった♪」と、はにかんでいるようにも見えますね。
字幅Fには、No.64 住吉山手ジェイドグリーンを入れました。
今年5月に発売された住吉山手ジェイドグリーンのシックな翡翠色は、カクノの細字にもぴったりです。
EFで書いたあとにFを手にすると、ああ太くなったなあ…と一瞬思いますが、なおもF。次第に「やっぱり細字だよ十分に!」と我にかえるのがEFとFとの合わせ使いの妙味です。
こちらにもCON-40を使っていますが、このインクタンクいっぱいにインクを補充する吸入については、以前の第九十四回「パイロット コンバーター CON-40」に書きました。コンバーターを直接ボトルインクにつけて、数回に分け吸入しています。
そして字幅Mには、No.48 水道筋マルシェブルーを。
まろやかな中字は、爽やかなブルーを際立たせてくれるようです。
こちらのコンバーターには、パイロット カスタム845に付属していたCON-70を使ってみました。これが軸の内部空間いっぱいに格納されてシビれる!
タンク容量も多いCON-70は、インクが早くなくなりがちな中字〜太字に向き、カクノ初期版はCON-70は入らなかったところある時にマイナーチェンジが行われて、使えるようになりました。
この様子、まるで付属版CON-70そのものが万年筆軸になってくれたような存在感。これは漆軸の中へ閉じ込めておいてはもったいない! と再認識した次第です。
この軸内空間満たされ感を味わうと、今度は短いCON-40での空間が気になってくる。。。というわけで、そちらにはあれこれ検討の結果ゼムクリップを入れてみることにしました。
小さなほうのゼムクリップが、最大7つまで入る!
ゼムクリップは、ひとつに全部をひっかけてまとめてあります。すると、まとまってストンと落ちてきます。ちょっとクリップない? という時にもここから使える…という機会が到来するかどうかはともかくとして、透明ボディ越しに眺めるゼムクリップの束もまた、いいものですよね。クリップの数が少ないと多少シャラシャラ音がするので留意ください。
3字幅の比較は上の写真の通りです。
こうして比較してみると、なんだか同じインク色ごとに3字幅で比較してみたくなる…という思いがふつふつと湧いてきている現在。
今回まずは3字幅を購入してみた小日向ですが、このカクノ透明ボディはきっと、今後何本と増えていくことでしょう。ナガサワ文具センターに行くたび、足していくことにいたします。
カクノ透明ボディは、インク使いをますます楽しくしてくれる万年筆です。
涼やかに、彩りあふれる日々を過ごしましょう!
◆ナガサワ文具センター楽天オンラインショップでご購入いただけます。
「 Pilot kakuno パイロット 万年筆 カクノFKA-1SR 」
小日向 京(こひなた きょう)
文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。