マスキングテープをカットする時には、どのような方法で切っているでしょうか。
小日向はだいたい手でちぎっています。え〜雑っ、と言わないで! 手でちぎった時のマステの裂け目が描く風合いはなんとも味わい深く、うまくちぎれた時にはその達成感もひとしおです。
また、あとからはがすことがわかっているような場合に、手でちぎったマステの端は爪でつんつんとはがすとっかかりをつけやすく、なかなか役立ちもします。
とはいえ、まっすぐ切るべき時もあります。そんな時にはカッターナイフやはさみを出して…としていたところ、先日上の写真のマスキングテープカッターを売場で目にしました。
「付け替えかんたん! クリップタイプのマスキングテープカッター」。
軽い力でまっすぐ切れるテープカッターで知られる、コクヨの「カルカット」シリーズのひとつです。
カルカットの刃は、従来のテープカッターに見られるギザギザ刃とは異なり、
◆ きわめて細かいギザギザのついた特殊加工刃
◆ そのギザギザの山も谷もすべてが刃となっている
◆ その刃がテープにたいして垂直に当たるので、テープを引き裂くことなく一気に切れる
という点が特長です。
そしてテープの切り口は、スパッとまっすぐ! セロハンテープやPPテープを、カルカット仕様の据え置きテープカッターで使うかたも多いのではないでしょうか。
そんなカルカットのマスキングテープ向けテープカッターがこちら。
特筆すべきは「クリップタイプ」であることです。
透明テープと違って、絵柄入りのマスキングテープは何種類も同時進行で使うもの。その都度テープカッターに入れ替えることはしないし、マステの分だけテープカッターがあったら大変なことになってしまう!
そこでテープカッターのほうをクリップタイプにし、マステに挟んで簡単に使い分けられるという…これはマステ好きにとってありがたいことこのうえなし。
パッケージから取り出して横からクリップと刃を見ると、このような形状になっています。
ぱっと見ただけでは、どこが刃でギザギザしているのかわからないほど。
こちらをつまんで開き、マステに挟みます。挟んだあともマステの輪に沿ってスムーズに移動できるので、切りたい場所を調整することが可能です。
マステを切ったところはこの通り。綺麗にまっすぐ! な切り口ですよね。
中央のストライプの柄は、クリップで挟んだあとに位置調整をして、縞と縞の間を切ろうと狙いました。その狙い通りにバシッと切れて感動です。これは癖になる。
はさみやカッターを取り出さなくてもいいのだな…と思っていましたが、これならはさみやカッターよりも切る位置を狙いやすいのでは? という心境に。
写真は10〜15mm幅のマステ用で、他に20〜25mm幅用の幅広マステ向きサイズもあります。
柄によっては幅広ものも増えてくるマステですから、これは2サイズ用意しておきたいところです。
持ち運びにはペンケースへポンと入れるのも良し、専用ケースを設けるも良し。
小日向はひとまず、製品パッケージの透明トレーに入れて持ち運んでいます。ここへマステを貼っておくと簡易的な封になって、また楽しい。
手軽にサクッと切れる爽快感から、このところ心なしか手でちぎる機会が減っているような…? そんな優れものです。
以前に使い終わったサランラップの筒がマステの内径にぴったりで、カッターも兼ねてこのようにしていましたが▽
こうすることも必要ないかも知れないな、と思うこのごろでした。
写真にある通り、サランラップの空き箱はリボンの保管に重宝しており、今後はそちら専用となりそうです。
簡単・綺麗にカットできる「クリップタイプのマスキングテープカッター」、その心地良さと爽快感をぜひ味わわれてみてください!
小日向 京(こひなた きょう)
文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。