先日、お伺いしたトンボ鉛筆 新城工場で作られた鉛筆を紹介させて頂きます。
1928年(昭和3年)【TOMBOW DRAWING PENCILS】は、最高級用鉛筆として大反響を呼んだ。鉛筆に多様な硬度があると知らない人が多い時代に、6Hから6Bまで14硬度で展開されました。
鉛筆が入っていたダース缶にはカード状の使用説明書が入れられ、知識の普及にも努められました。
それまでは、国産鉛筆は1本8銭が最高だったが、10銭という最高級鉛筆となる『再考の質、トンボ鉛筆』というキャッチもこの時に誕生したそうです。
【黒芯】
黒鉛と粘土を混ぜて焼く
鉛筆芯は、黒芯と呼ばれ HBで黒鉛と粘土を約7:3で混合
シート状に延ばし練り合わせる(硬度により黒鉛と粘土の割合を調整)。成型して乾燥、高温焼き、オイルを染み込ませる。
【鉛筆】
芯をはさみ切り分け塗装
鉛筆軸の素材は、緻密で均質、削りやすい北米産インセンスシダー(ヒノキ科の一種)が主流。海外工場で加工した『スラット』と呼ぶ板材を使う。軸を加工する事を木工工程と呼ぶそうです。
スラットと呼ばれる四角い板材に加工されたものを輸入して使用し芯が入るように細い溝を9本作ります。
各溝に接着剤を塗り、芯を乗せその上からもう1枚のスラットを重ね、サンドイッチ状態にぴっちり合わせ一定時間、加圧いたします。半面ずつ、スラットの表面から鉛筆の形に合わせて工業用カッターで削り出します。
製軸削りが完了し1本、1本切り分けた『製軸あがり』で鉛筆の形が完成いたします。
【塗装】
塗料を何度も塗り重ね、光沢の美しい軸に仕上げていきます。
下塗り、中塗り、上塗りと3段階を経て塗装が完了いたします。
スタンプと呼ばれるブランドマークやモデル名の文字、バーコード等をホットスタンプで1本1本箔押しいたします。
こうしてようやく完成いたします。
1本の鉛筆が出来るまでには沢山の工程を経て出来上がった
【鉛筆】は、改めて大切に使わないと工場の皆様に失礼にあたりこれからも大切に使っていきたいと思います。
限定生産の鉛筆は、完売してしまいましたが…
【トンボ鉛筆 完全カタログ】
http://www.tombow.com/100th/mook.php
復刻鉛筆が3本とボディーノックシャープがついた書籍については継続して発売しております。
本内容もトンボ鉛筆完全カタログより引用させて頂きました。