小日向京のひねもす文房具|第十八回「文房具好きになってもらうためのプレゼント」

文房具好きになってもらうためのプレゼント

もうすぐクリスマスが近づいてきましたね!
クリスマスといえば、サンタクロース。
サンタクロースといえば、プレゼント。
プレゼントといえば文房具。
…と、すべての道は文房具に通じるものです。

文房具好きにとって、文房具のプレゼントは、本当に楽しい!
選ぶのも楽しいし、渡すのもわくわくします。
そして12月はクリスマスということで、巷はプレゼント気分。口実なくとも「クリスマスだね」と気軽にものを贈れる空気が街じゅうにあふれています。
そこでこの機に乗じて、ふだん文房具にあまり関心のなかった友だちや家族を「文房具好き」にするべく、文房具をプレゼントしてみるのはいかがでしょうか。

だって、
◇「このメモ、何の筆記具で書いたの?」と訊けば「忘れた」
◇「うわっ、いい感じの線で伝言書けたな」と思って渡せば→無反応
◇原稿用紙に万年筆で文字を書いていると、それをチラッと見たあと→そのままスルー
◇チャンス到来、文房具の話が出たとしても途中で→「文房具、好きなんだね(笑)」と早々に話をまとめられる
といったことばかりで。
一番よく顔を合わせる人たちと文房具の話で盛り上がれないなんて、もったいなさすぎる!

とはいえ、突然どストライクに文房具好きたちの間で定番となっているものを単体でプレゼントしても、「ありがとう」と引き出しの中でお蔵入りになってしまわないとも限らない。
使ってもらえて「おっ、意外といいな」と感じてもらい、いつの間にか暮らしにとけ込み、そしてリピーターとなってくれたら申し分ありません。
そのためにも以下のような点がポイントかと思われます。

◆ふだん使わないようなものをあえて選ぶ
 =相手がすでに使っているものは尊重するよという意思表示にもなる
◆筆記具を選ぶなら、それを書くのに向く紙も一緒に渡す
 =「すぐに始められる」状況を用意する
◆ペンケースにするなら、さりげなくおすすめのペンも中に混ぜ込む
 =すでに「使っている状態」をやんわりと仕立てる
◆ノートを使ってもらうなら、ふだん使いの「予備として」すぐに取り入れられそうなものにする
 =相手の生活の周辺に漂わせて「誘う」

たとえば、水彩色鉛筆をプレゼントするとしましょう。

文房具好きになってもらうためのプレゼント

色鉛筆? 使わないよ。といったんは思われるかも知れませんが、ここで小さなスケッチブックと削り器、水筆を添えることが肝心です。
そこにうってつけの紙があればひとまず書いてみるだけは書き、芯が減れば削れて、なになに水彩色鉛筆って水でのばせるの? となり、中に水を入れるだけで手軽に使える水筆がそこにあれば、人は試してみたくなるものです。ぬり絵の本など添えるのも良いですよね。
色鉛筆をふだん使わない人ならなおのこと、プレゼントという非日常感もあいまって、生活の周辺にしっくりなじんでゆくかも知れません。

また、カジュアルな小さめのノートを組み合わせるのも一案です。

文房具好きになってもらうためのプレゼント

薄くて気軽に持ち運びやすいノートは、これまで使っているものとの合わせ使いにもうってつけ。そこへ「使うかどうかはご自由に」という感じで筆記具を添えておくこともぬかりなく。
ふーん、何かのメモにしてみようかな…と思い、ポケットに入れてもらえたら大成功。
書き味の良い紙と筆記具に、必ずや「文房具って、なんだかいいぞ?!」と感じてもらえることと思います。

そして、ラッピングにもひとひねり。
冒頭写真のように、原稿用紙で包んだり、手ぬぐいで包んだり、クリップやマスキングテープを小道具に使ったりなどして、そちらにも関心を抱いてもらう仕掛けを施してみたいところです。
プレゼントを渡したあとは、詳細解説はぐっとこらえて黙って見守りましょう。その楽しさを自分から見出すこともまた、文房具の醍醐味でもあります。

ひとりでも周囲に文房具好きが増えてくれることを願って。
来年の文房具との付き合いも色濃いものとするために、良き年末を迎えたいものです。

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

小日向京のひねもす文房具




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文房具好きになってもらうためのプレゼント