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小日向京のひねもす文房具|第五十六回「姫革細工の扇子入れ」


第五十六回_姫革細工

先日素敵なプレゼントをいただきました。
美しい真っ白な革に、青色の絵柄が。
「姫革(ひめかわ)細工」といい、NAGASAWAさんちか店で扱われている製品で、写真は扇子入れです。
姫革細工の姫は「姫路」の姫を指します。この革加工技術は他に「姫路革」「姫路白なめし革」などと呼ばれる兵庫県・姫路の伝統工芸品なのだそうです。

姫路といえば姫路城。瓦まで白い漆喰で塗り固められた「白鷺城」とも呼ばれる外観を、この姫革細工は連想させます。かつては武将の鎧兜や武具にも使われた工法なのだといい、塩漬けにした牛革を川の水に浸し天日乾燥させ、塩と菜種油で揉みほぐして再度天日に晒し、革本来の色に仕上げたものが姫路の白なめし革の特徴とのこと。
素の牛革が、こんなに美しい白色をしているなんて!

さらにその革表面に模様を型押しして、筆で絵付けを施したものが姫革細工です。
絵柄の模様に寄ってみましょう。

第五十六回_姫革細工

まるで白い紙にブルーのインクで書いたような…色み的には、パイロットのブルーブラックかしら…と、文房具気分も盛り上がります。
さらに内側へ。

第五十六回_姫革細工

中の布地は、播州織の綿100%。播州織は兵庫県の北播磨地域で作られる先染めの織物で、爽やかな肌触りの良さに定評あり。外側・内側ともに兵庫県で育まれた伝統技術が活かされた製品なのです。

第五十六回_姫革細工

扇子入れに扇子を入れるのはもちろんぴったりなのだけど、ここはひとつ文房具関連の使い途にしてみました。毛筆のように長い軸をしたものにも最適。
上写真の毛筆は、キャップを含め約23cmです。穂先のほうから挿すと、キャップだけ中に取り残されてしまうので注意。もっともいったん筆をおろすと、このキャップは使わないことになりますから、ガーゼや和紙などで乾いた穂先を包むと具合いいようです。

扇子入れの他には、このように素敵な色彩のがまぐちもあるのだそうで!

第五十六回_姫革細工

写真の上側は、扇子入れの反対面です。
このがまぐちにある模様・大名行列の淡い緑とオレンジがかった茶色のコントラストが、たまらないほど良い色合わせ。なんと現代の服装や文房具にもマッチすることか。
NAGASAWAさんちか店には、姫革細工のアイテムが各種あるようです。
早速チェックしたさんちか店Facebookには、このような写真がアップされていました。

第五十六回_姫革細工

色鮮やかですね! 鞄の中でもひときわ目立って出し入れしやすそうです。
大名行列模様の扇子入れらしきものも見える…!
扇子入れは、軸が長めの中屋万年筆との相性も抜群のようで…▽

第五十六回_姫革細工

なるほど、緑紫系の菊模様に碧溜十角ツイストを入れてみたい!
姫革細工の扇子入れ+中屋万年筆は、PenStyle DENでも一部取り扱いがあるとのことです。
三宮へ行く楽しみがまたぐっと増しました。
日本の伝統工芸品を知ることで、文房具にもさらに親しめるような気持ちがします。
贈り物を通じて、またお店で様々な発見をしながら、これぞというものを率先して取り入れてみることにいたしましょう。

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

小日向京のひねもす文房具

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