NAGASAWA136周年記念限定万年筆

小日向京のひねもす文房具|第十三回「飾り原稿用紙」

飾り原稿用紙

あたぼうステーショナリーの「飾り原稿用紙」は、飾り罫がついたA4サイズ・400字詰めの原稿用紙です。
スライド手帳で知られる株式会社あたぼうの佐川さんが企画し、デザイナーのhoririumさんが設計し、小日向が監修しました。
飾り罫は4種類。上の写真左より、波抹茶(なみまっちゃ)・黒雷公(くろらいこう)・桃雲流(ももうんりゅう)・蔓葡萄(つるぶどう)と名付けています。

このデジタルデバイス百花繚乱時代、なぜに原稿用紙が柄違いで4種類も発売されているのか。
昭和のロングセラーでもデッドストックでもなく、2015年春に生まれた今どき珍しい原稿用紙界のニューカマー。それが、飾り原稿用紙なのです。

もう子どもの頃のような読書感想文の宿題はないし、原稿用紙のことはすっかり忘れていたという人も多いかも知れません。
しかし昔から見慣れたこの枡目、あらためて眺めてみるとなんだかとっても愛らしい形をしていますよね。原稿用紙の枡目模様のスカーフなんて巻きたくなる! 学校の宿題から解放された大人になると、言われなくてもそこにペンを走らせたくなってきます。

飾り原稿用紙に使われている紙はキンマリスノーホワイトで、万年筆インクの描線がすっきりとあらわれます。▽

飾り原稿用紙

えっ、黒の飾り罫にKobe INK物語の水道筋マルシェブルーとの組合わせ?
そう、飾り罫とインクの色合わせを快適な書き心地であれこれと楽しめるのが、この飾り原稿用紙の身上。緑・黒・桃・紫の罫線色と枠の模様がインク色と共鳴し合って、書く気分をいっそう盛り立ててくれるのです。
またこの用紙は、筆感を損なうことなくできるだけ薄くしています。紙が薄いところへ太字の万年筆で書けばどうなるかというと……▽

飾り原稿用紙

インクを含んだ紙がほんのり波打つ!(嬉)
波打つと、紙をめくる時の音にぐっと表情が生まれます。これを何枚も束にした時のめくり音の魅力といったら。目当ての場所を探すためにがっさがっさとめくっていると、集中力も高まります。ただめくる目的で行っても良いでしょう。
紙の波打ちは、書いた紙とまだ書いていない紙を判別するのにも役立ちます。

万年筆のみならず鉛筆でも、もりもりと書き進める喜びを味わえます。▽

飾り原稿用紙

黒鉛芯で力が入った時にできる紙の凹みというのも、また味わい深く。枡目に一文字ずつ書き込んでいく懐かしさもあいまって「手書きっていいなあ……」と実感します。

思うに現代、書類作成やメールやSNSとキー入力する機会が増えた利便性の一方で、肉体のほうは余計に手書きを欲しているのではないでしょうか。直線や曲線を引いたり、間違ったり消したり…といった一連の動作を進めている時に、肉体のみならず精神も様々なことを感じています。それは一見「古い行い」のようでいて、今となっては「新しいこと」なのかも知れません。

飾り罫の模様の楽しさは書くことだけにとどまらず、このような使い方もしたくなります。
サイズの合うように折ってパンチで穴をあけて、システム手帳のポケットに。▽

飾り原稿用紙

蛇腹状に折り進めて、ちょっとした文具小物トレーに。▽

飾り原稿用紙

手紙などを包んでマスキングテープで貼って封筒に。▽

飾り原稿用紙

書く以外にも色々と忙しくなりそう! 飾り原稿用紙で、ぐっとくる使い方をあれこれ味わってみましょう。

さてこの飾り原稿用紙、現在5番目の新たな柄を製作中です。
その新柄は、煉瓦色をした煉瓦模様の「港煉瓦(みなとれんが)」。
煉瓦とくれば、NAGASAWA神戸煉瓦倉庫店。
というわけで2015年12月、開店三周年を迎えるNAGASAWA神戸煉瓦倉庫店にて、飾り原稿用紙の新柄「港煉瓦」を先行発売する予定です。
楽しみにしています!

今回紹介した商品はナガサワ文具センター公式オンラインショップでお求めいただけます。
「飾り原稿用紙」

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

小日向京のひねもす文房具







飾り原稿用紙