小日向京のひねもす文房具

小日向京のひねもす文房具|第百五十四回「NOLTYノート A5 横罫・方眼・無地」

小日向京のひねもす文房具|第百五十四回「NOLTYノート A5 横罫・方眼・無地」

日本能率協会マネジメントセンターのロングセラー・能率手帳が「NOLTY(ノルティ)」と名称を変更したのが2013年のこと。
「NOLTY」とは、以下の思いを文字に込めた言葉なのだそうです。

New style(新しいスタイル)
Original(そしてたったひとつの存在で)
Life Time(ずっと毎日)
Your will(あなたの想いを叶えたい)

そして、能率手帳の「のうりつ」の音にも近づけたNOLTYなのだとか。
早いものでそれから5年を経て、NOLTYの名はすっかり皆に定着しました。
そんなNOLTYがおくるフラッグシップノートが、上の写真にある3種です。

手帳のNOLTYだけではない!
そんな気持ちにさせられる、重厚感溢れるたたずまいのノートですよね。
それもそのはず。「繰り返し手にしては開き、読んでは書き込み、閉じて元の場所へしまう」という使いかたにおいては手帳もノートも同じですから、手帳に優れたメーカーは用紙にも造本技術にも優れており、NOLTYがノートを作ればそれはそれは凄いものになるわけなのです。
どう凄いのか。見てまいりましょう。

小日向京のひねもす文房具|第百五十四回「NOLTYノート A5 横罫・方眼・無地」

造本は、布クロス張りのハードカバーです。端から端までビシッと整っており、開閉を繰り返してもその姿を保ちます。そして開きが大変いい。
「NOLTY」のエンボスロゴは、上下の方向を識別するのにも役立ちます。
硬い表紙はまっすぐで、折れたり反ったりする予感さえ抱かせません。
シックな黒がその精巧な造りを引き立てており、ビジネスユースにも向くでしょうし、シールなどを貼ったりデコレーションしたりしても素敵なのではないでしょうか。

小日向京のひねもす文房具|第百五十四回「NOLTYノート A5 横罫・方眼・無地」

続いてノートの上部には(下部にも)赤と黄の縞をした「花布(はなぎれ)」としおりが付いています。ハードカバーの本の補強と装飾を兼ねるのがこの花布。シックな黒表紙と紙束の金色に、赤黄の縞がアクセントとなっています。

その紙束の金色は本物の金で、「小口金箔付け」と呼ばれる仕上げです。
能率手帳ゴールドの製法で知られるこの小口金箔付けは、紙束の「天、地、小口、両角」の5ヶ所にわたっています。天は紙束の上部、地は下部、小口は側面、両角は上下の「角丸部分」を指し、

小日向京のひねもす文房具|第百五十四回「NOLTYノート A5 横罫・方眼・無地」

この角の金箔付けの美しさたるやもう、眺めていて思わず笑みがこぼれるほど!
金箔付けを施すことによって側面の美しさが増すだけでなく、汚れ防止や紙の補強の役割も担っています。

NOLTYノートはA5サイズ。用紙には横罫・方眼・無地の3種類があり、192ページです。
用紙は大判のNOLTYダイアリーやBindexのオリジナル手帳専用紙が使われているのだそうで、ひとつずつ中身を見てみるとこのように。▽

小日向京のひねもす文房具|第百五十四回「NOLTYノート A5 横罫・方眼・無地」

6mm間隔の横罫は、ガイドラインでマージンを作ったりなどするのにも便利な目盛り付きです。
本文を書く部分の罫線は、近づいて見ると点線になっています。文章を書いていて罫線が邪魔に感じない工夫が凝らされているという…能率手帳ゴールドの付属冊子の罫線を思い起こさせられますね!

小日向京のひねもす文房具|第百五十四回「NOLTYノート A5 横罫・方眼・無地」

こちらは5mm方眼です。刷色と線の細さがこちらも邪魔にならず、やはり点線になっています。
5mmなので、簡易定規として使いやすい点も嬉しいところ。

小日向京のひねもす文房具|第百五十四回「NOLTYノート A5 横罫・方眼・無地」

そして無地。罫線のガイドがなく自由に書ける無地は、見開きに書き込みたい情報量や記述状況に合わせて文字や図の大きさを変えられるところが利点です。

さて、これら3種のどれから書こうか…とまず方眼に持ちものメモを書き始めました。

小日向京のひねもす文房具|第百五十四回「NOLTYノート A5 横罫・方眼・無地」

こうした持ちもの内容は時々変わるので、理由を添えて定期的に記録しておくことは欠かせません。方眼の罫線がさりげないガイドになってくれて、とても書きやすい!
と快適に書き進めていましたが、さっき開いた横罫が残像で頭に浮かび、どうも気になって仕方なく……再度眺めてみると、「むむっ?」と思うところがありました。
罫線の目盛りの数が「手帳由来」なのです。

小日向京のひねもす文房具|第百五十四回「NOLTYノート A5 横罫・方眼・無地」

見出し部分の目盛りは、7つ単位。行数は、31行あります。
これって…スケジュール帳のように使うこともできるのですね!
また、7つ単位の目盛りで線を引くと3分割され、これを「朝・昼・晩」「家事・仕事・余暇」「万年筆・インク・紙」などと見出しにしても良く。
様々に可能性の広がる横罫なのだなと感服しました。

ハードカバーのノートは、長期間にわたって記述を繰り返しても外まわりが劣化しづらく、長年保管したい書きものに最適です。
また、あるテーマを決めてそのノートをこのようなハードカバーにすると、そこには「長年保管して繰り返し読みたいこと」を意識して書くようになるかも知れません。

NOLTYノートのパッケージに書かれている、
「あなたを変える1ページが、きっと生まれる。」
という言葉は、この優れたノートによって現実になるのだろうと感じます。
贈りものにも、そして自分を活気づけるためにも。
私たちの未来に、ぴったりのノートとなってくれることでしょう。

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。

文字を書くことや文房具について著述している。

『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。

著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。

「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

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