小日向京のひねもす文房具

小日向京のひねもす文房具|第五十回「『システム手帳STYLE』2016/8/1発売!」

システム手帳STYLE

1980年代半ば。バイブルサイズのシステム手帳が日本で発売された時の高揚感は忘れられないものでした。84年にファイロファックスが、85年にノックスブレインが、そして86年にアシュフォードが発売。若かりし小日向も、売場を通りがかるたびバインダーやリフィルを眺めていたものです。いや、それらを眺めるために売場を通りがかっていたといったほうが正しいか。
革の質感や美しい縫製、何よりそのリングの中にたくさん綴じられたリフィルの「紙束感」に魅せられたものでした。そこには、自分だけに有用な情報が記されることになる──どのような内容を、どのような順番で、どのように構成させるか? そうしたことを考えるだけでも、瞬く間に時が過ぎるものでした。
記憶するところ、当時のファイロファックスは万年筆と同じようにショーケースの中に商品が並んでいました。それもそのはず、基本型のバインダーから好みのリフィルまで購入したら4万円は超える価格でしたから、おいそれとは触れることができなかったのです。ショーケースの向こうには、こちらから何かを要望されるまで待つ構えの店員が。
「こちらを…見せてください」
何度も通ってついに、そう言いながら指さす手が思わず震えるような雰囲気でした。
あれから30余年、システム手帳売場は今も健在。品数が増えて価格帯は大幅に広がり、「手の届きにくい高級品」だけではなくなったせいか、むしろ発売当初の80年代より売場スペースは格段に増しました。

そんな今、満を持して2016年8月1日(月)に発売される本が『システム手帳STYLE』(エイ出版社刊)。趣味の文具箱編集部によるもので、上の冒頭写真が表紙です。真っ赤なシステム手帳がそそりますよね!
現行ブランドの紹介から革の説明、ユーザー記事、選び方、活用法、そしてリフィルカタログデータまで、システム手帳の魅力が満載の内容となっています。
目次も見てみましょう。▽

システム手帳STYLE

たくさんリフィルの詰まったインデックスだらけの写真など、気分が盛り上がる!
ユーザー記事には「気が付けば、システム手帳バカ」のタイトルで、趣味の文具箱・清水編集長のシステム手帳も紹介されています。これはきっと…マニアックなことこのうえないはず。

システム手帳は、自分の使途に応じてリフィルを組み合わせ、好きな風にカスタマイズできるところが最大の強みです。よく参照するページは一番手前や一番最後にしたり、前後数か月分だけスケジュールを挟んだり、名刺リフィルをメインにして情報カードの名刺サイズと組み合わせたり。誌面を読むと、さらに構想がふくらむことでしょう。

小日向は、p84〜87「システム手帳をギアファイルとして活用する」を書きました。
ジップタイプのシステム手帳に、カードポケットやファスナーポケットを駆使して、小袋の七味から充電ケーブルまで収納しようというものです。
このような感じで、文具や洗面用具入れにしてみたり。▽

システム手帳STYLE

バインダーに挟んで良し、単体で持ち運んでも良し。いつもの手帳やノートに加えてみるのも一興です。

さて今年2016年は、アシュフォードが発売30周年を迎えました。
その節目に日本各所で「ASHFORD LOUNGE(アシュフォードラウンジ)」と題したフェアやトークイベントが開催されています。
そして今年秋、1980年代往年のモデル「プレスコット」のバイブルサイズ復刻版が発売されるのだそうで、牛革には姫路のタンナー・山陽によるフルタンニン鞣しを施した逸品とのこと。
プレスコット復刻版のシステム手帳ラインナップは以下です。

◆ スタンダードジャケット(リング径25mm・ベルト付き)税込32,400円
◆ コーチマンジャケット(リング径25mm・表カバーは二つ折りでジョッター機能を搭載)税込38,880円
◆ トラベルマンジャケット(リング径15mm・ベルトなしの薄型でカバー裏に大型ポケットあり)税込28,080円

その他、純正革のジョッターリフィルやポーチリフィル、ウォレットリフィルなども同時発売されるそうで、現物を見るのが待ち遠しいところですね!

そしてさらに耳寄りな情報をキャッチ。
上のプレスコット復刻版に、ナガサワ文具センターとアシュフォードがコラボレーションした別バージョンも用意されるらしく……なんとそちらはリング径が30mm、リングの中にはペンを収納するスペースがあるとの噂が!
秋の発売に向けて、鋭意制作中。詳細を楽しみにしたいと思います。

システム手帳の「システム」という言葉は、「複数の要素が組み合わされて機能する集合体やそのしくみ」を意味します。
この言葉、なんだか自分に「何ごともすっきりこなせる知恵」がつくように思えて、心強い利器を得た気持ちになれますよね。
道具を通じて、頭の中に目的を遂行するためのしくみが投影されていく。そこがシステム手帳の醍醐味と感じます。

『システム手帳STYLE』を座右に、かつて愛用したバイブルサイズを久しぶりに出してみたり、新たな革表紙に挑戦してみたりしながら「自分だけのシステム」を作ることは、毎日の行いをより試みに満ちたものにすることでしょう。

今回紹介した商品はナガサワ文具センター公式オンラインショップでお求めいただけます。
「プレスコット スタンダードジャケット」
「プレスコット コーチマンジャケット」
「プレスコット トラベルマンジャケット」

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

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