もくじ

ナガサワ文具センター専売モデル「ファイロファックスウィンチェスター」を使い始めて4ヶ月が経ち、そろそろボクの手に馴染み始めたようで、経年変化にはまだ遠い状況ですが、うっすらと自分が普段よく手にする場所に変化が見えてきました。
この間、取材や旅行などにつれて歩き、23mm径の大容量なシステム手帳の醍醐味を満喫しています。
大容量システム手帳の魅力
「ファイロファックスウィンチェスター」の大型リング径23mmには、およそ200枚(400ページ)近くの紙リフィルが収まります。
ざっくりページ数だけでかんがえると、岩波文庫の吉野源三郎著「君たちはどう生きるか」に相当します。いやいや、そこまでの情報を持ち歩く必要がない!というのであれば、半分の100枚にしても角川文庫の「ハムレット」シェイクスピアが収まります。
(文庫本のサイズは105mm×148mm、バイブルサイズは128mm×182mmなので、もし同じフォントサイズで書き込んだなら、バイブルサイズの方が筆記面積も広く、もっと多くの情報量が収まります)
その余裕を利用して、市販されているカードケースや、クリアポケットなどのリフィルを使って、自分だけのシステム手帳のカスタマイズを心置きなく楽しむ事ができます。
今回は、旅行歴45年、そして(手前味噌ですが)旅行関連の執筆や編集にも携わってきたボクの経験と主観で、外へ持ち出す「ファイロファックスウィンチェスター」の楽しみ方について一例を紹介します。
◎常備薬他
旅行に限らず、外出先での体調不調は、プライベートでもビジネスでも歓迎したくないトラブルです。ボクの場合、鎮痛剤(解熱剤)や整腸剤、絆創膏、さらに爪切りなんかもファスナー付きポケットに入れて、いざという時のトラブルに備えています。
体調については、ひとりひとりケースが異なるので、自分に合う薬を普段から気にかけておくことも大切です。
◎切手入れ
文具の仲間には、旅好きなひとも多くて、旅先からもらった絵はがきに、地方の文化や景観をデザインした風景印(デザインされた消印)が押印されているとより嬉しくなります。
この風景印は、取り扱いがある郵便局なら特別料金なしで押印して送ってくれるほかに、ハガキ代相当の金額の切手を貼ったカードや手帳にも押印してくれるので、自分にとってのいい想い出になります。
このために、郵便切手と一緒に、風景印を押印してもらうためのカードなどを、ファスナー付ポケットにまとめておくのも、オススメです。
ファスナー付きがいいのは、万が一システム手帳に水がかかってしまったときや不意にポケットから落としてしまった時の保険になります。
◎懐紙
お茶の席などで使われる懐紙は、お菓子をのせるお皿の代わりとして、また手を汚さずにお菓子をつまんだり、口元を拭き取りとったりする時などに使われている茶道界の万能ツールであり、ボクの旅行においてはマストアイテムでもあります。
もともとは和紙なので強度もあって、茶道の世界だけでなく、日常生活においても、ハンカチやティッシュの代わりして、またメモ用紙としても活用できます。
懐紙をクリアポケットに畳んで入れておくこと、移動中の列車の中や、ホテルのテーブルの上にひろげ、柿の種やナッツをのせることで、ちょっとしたバーのような上品な空間を演出してくれます。
リフィルをカスタマイズ
◎かさばらない簡易お財布(紙幣専用)
旅行だけではなく、日常生活の上でも、もっとも出番が多いツールと言えば”財布”です。
ですが、近年キャッシュレス化が進み、たくさんの現金を大きくてぶ厚い財布に入れて持ち歩くひとが減り、代わりにスマートフォン(おサイフケータイ)や交通系ICカードなどの電子決済サービスを利用するひとが都市部を中心に増えているようです。
ところが、旅行先が自然に囲まれた地方であったりすると、おサイフケータイなどの電子決済が使えないケースがあり、その時のために現金(紙幣)を、クリアポケットや黒い画用紙を折っただけの自作の簡易財布に、忍ばせておくと安心です。
◎乗車券ホルダー
旅行や出張の際の乗車券は、時々どこにしまったのか忘れてしまうアイテムのひとつです。
ボクの場合、JRなどの窓口においてある”乗車券ホルダー”にちょっと手を加えて、システム手帳のリフィル化をしています。
これをシステム手帳に挟んでおけば、まず間違いなく乗車券が入っているとわかります。
チケットホルダーにフラップもついているので、システム手帳を閉じた状態でチケットが抜け落ちる心配もまずありませんし、どこに入れたか忘れることもありません。
◎薄い名刺入れをリフィル化
出張や取材であれば、必ず名刺入れを持参しますが、プライベートの旅行だとまず持って行く人は少ないはずです。
ボクの場合、旅先で素敵な文具店に出会うとつい見学に入ったり、お話しを聞きたくなったりして、そんな時に身分証明にもなる名刺を差し出して、決して怪しい物ではないことを伝えます(この時点で十分怪しい気もしますが)
そんなときのために「薄い名刺入れカードリッジ」(ロンド工房)を、リフィル化してシステム手帳に綴じ込んであります。そんな必要ない人の方が多いと思いますが、名刺を入れるだけでなく、旅先で出会ったレストランや雑貨屋さんなどのショップカードを傷つけずに持ち帰るときのツールにもなるので、用意しておいて損はありません。
ファイロファックスウィンチェスターグレーのメリット
発表会や会見などの取材であれば、鞄を持たずに「ファイロファックスウィンチェスター」だけで、こと足りるようになりました。
上記でも、書いたとおり必要なツールは23mm径の中に、ほとんど納める事ができ、近年スマートフォンのカメラの性能は以前のコンパクトデジタルカメラの性能を超えているので、システム手帳とスマートフォンがあれば、ほとんどなんでもできる時代になりました。
そんな中で”グレー”のメリットは、フォーマルなスーツ姿でも、カジュアルなスタイルでも、合わせられるワイルドカードのようなカラーで、ファイロファックスウィンチェスターが持つ質感は、そのどちらにおいても遜色なく活かせるのが魅力です。
また、屋外で使う視点でみると、システム手帳に多くある”濃いブラウン”や”ブラック”よりもニュートラルな色合いのグレーは、とても目に優しく、太陽に光に当たっても熱がこもりにくく、これからの暑い季節にはありがたい機能といえます。
まとめ
「ファイロファックスウィンチェスター」と付き合いはじめて数ヶ月、そろそろお互いに相棒と認めあえる関係になってきました。
これまで、ツールはコンパクトにまとめることをコンセプトに、11mm径のシステム手帳をメインとして鞄に入れて使ってきましたが、23mm径のシステム手帳をひとつの「器」=鞄として捉えると、物を小さく軽くまとめるというボクのコンセプトにまったくブレないツールになることがわかりました。
システム手帳は”ブラウン系”がほとんどだったボクに”グレー”の魅力に気付かせてくれた「ファイロファックスウィンチェスター」との出会いは、自分と文房具のさらなる可能性を教えられた気がしています。