「今日持っていく万年筆を1本だけ選ぶとしたら?」
万年筆好きが集まりそんな質問を出し合った時には、プラチナ万年筆の#3776センチュリーの名が誰からともなく挙げられることでしょう。
「センチュリーだけで何本も持ち歩いているから、どれを1本だけ選んでもそれはセンチュリー」
という人もいるかも知れません。(そっと挙手)
以前に、定番のセンチュリーについては第三十三回に、限定版のセンチュリー「河口」については第四十九回に書きました。
さておとなしめな書き出しとなっていますが、ここからは鼻息を荒げ申したい。
センチュリーは何本も欲しいから、もっと軸色バリエーションが欲しかった!
特にグリーン系が!!
ええこれまでに限定版でいろんな軸色は確かに出ましたよ、でもグリーン系はなかったし!!
やっと出てくれましたかグリーン系軸のセンチュリーが!!
…というのが、上の「ローレルグリーン」の発売を知っての興奮と喜びの気持ちです。
ああ嬉しい。
ローレルグリーンとともに象牙のように美しく優美な白軸の「シュノンソーホワイト」も同時発売となっています。が、今はローレルグリーンの深みある半透明グリーン軸に気を取られてにっちもさっちもいかない。ので、シュノンソーホワイトやローレルグリーンの美しい画像や商品概要についてはプラチナ万年筆のニュースリリースを御参照ください。
このローレルグリーンの半透明をした緑色は、照明や置いた場所でも色みの表情を変えるところがまた素敵です。
冒頭写真はシックにグレー背景ですが、パープルの上に置くとまた違った雰囲気に。
パープルで勢いづくようにして、グリーンが明るさを増しますよね!
こうした表情変化もまた、グリーンの魅力のひとつです。
ローレルグリーンは、ゴールドコンビ。深みのあるグリーンと、イエローがかったゴールドがこんなに素敵な色合わせなんて…思わず笑みがこぼれます。
ペン先の字幅には、超極細(UEF)・極細(EF)・細字(F)・細軟(SF)・中字(M)・太字(B)・極太(C)の7種類があり、今回小日向の選んだものは左の細軟でした。右は比較として、万年筆仲間の選んだ極太(C)です。「C」はコース(Coarse:目の粗い)の略。極太のペンの先端が表から見ても、大きい!
裏返したところです。ペンポイントの大きさが、細軟と極太ではずいぶん違いますね。
これまでゴールドのペン先は細字・中字・太字を使い、ロジウムやピンクゴールドも数を増やしつつあるところでしたが、ここでまたゴールドに立ち返り、細軟にした次第です。
しかし…極太も良いな…。
そして、書いたところです。インクはパイロットのブルーブラックを使いました。
細軟のしなり良し。ロジウムの細軟よりも軟らかく感じるのは、ゴールドのせいなのでしょう。
極太コースは豊かなフローが圧巻です。どちらも楽しい!
その後、こちらの細軟をノートに多用。しばらくペン先ならしの期間となりますが、手帳に細かく書きたい時にも重宝して、良い字幅だなと感じています。
が、おそらくそう遠くないうちに、極太字幅のセンチュリーも購入することでしょう。
そんな折も折、2018年11月23日〜25日(金祝〜日)は神戸ペンショーが開催されます!
今年も北野工房のまち 3階講堂にて。
小日向も24日(10時〜16時)・25日(10時〜12時)にワークショップをいたします。
概要はこちらを御覧ください。
万年筆を選ぶ絶好のチャンスを、どうぞお見逃しなく!
小日向 京(こひなた きょう)
文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。