神戸とチョコレート
江戸時代の末期、いち早く港が開かれ海のむこうから新しい文化が入って来た神戸は、ファッショやスポーツなど、さまざまなトレンドを発信する街になりました。
誰もが好きなチョコレートを製造販売する洋菓子店が神戸トアロードにオープンしたのは1931年のこと、この頃すでに日本でもチョコレートの販売は始まっていましたが、恋人や同僚へチョコレートを贈る習慣、2月の風物詩ともいえるイベントとしてすっかり定着したバレンタインデーは、1932年にこの神戸の洋菓子店から生まれました。
フェリシモチョコレートミュージアム
株式会社フェリシモ(以下フェリシモ)は、誰もが知っている通信販売を手掛ける最大手の企業で、創業は1965年と通信販売の業界では草分け的な存在です。
その企業理念には「ともにしあわせになる」をコンセプトに、自社開発のファッションや雑貨、食品などのさまざまな分野で、質の高いアイテムを家庭に届けています。
2021年10月、神戸市新港町にあるフェリシモ本社ビル内にオープンした「フェリシモチョコレートミュージアム」には、世界中から集められた約14000点ものチョコレートのパッケージ(包装紙)を収蔵展示した、世界でも例がない異色のミュージアムといえます。
企画展示をはじめ、国内外のチョコレートパッケージの展示は、館内を軽くながめただけではとてもすべてを見てまわる事ができないスケールで、ここにはお菓子の国に迷い込んでしまったような世界がります。
若い世代から見れば、「えっ、あのチョコレートってこんなパッケージがあったの?」と新鮮な感動があり、昭和世代の人からは「あったよ、あったよ、このパッケージ」とノスタルジックな気分にひたれるなど、老いも若きも訪れる人の数だけ楽しむことができるミュージアムです。
チョコレートインク
今回、フェリシモチョコレートミュージアムとのコラボレーションから生まれた、ナガサワ文具センターKobeINK物語の「チョコレートインク」は、見ているだけで口の中にチョコレートの甘さが広がる”世にも美味しいチョコレート”なインクであるとともに、このインクを通じて、ひとりでもたくさんのひとに、書く楽しさを知って欲しいという「隠し味」が添えられています。
ミルクチョコレートインク
甘くてまろやかな口あたりで、老若男女から親しまれる定番のミルクチョコレートは、どんなときでもほっとさせてくれる存在です。口にするとやさしい気持ちになるミルクチョコレートをライトなブラウンで仕上げたのが「ミルクチョコレートインク」です。
ビターチョコレートインク
子どもの頃、ちょっと背伸びがしたくて、大人の真似をして初めて口にしたビターチョコレートは、苦さだけが舌に残って、それが大人と思っていた思春期の想い出の味。
いまなら、その苦さの中に優しい甘さが素敵なバランスを保ちながら同居していることに気づきます。
そんな、ほろ苦い想い出を呼び覚ましてくれるのが、ダークブラウンな「ビターチョコレートインク」です。
ストロベリーチョコレートインク
甘酸っぱいイチゴの果肉とチョコレートの相性の良さは抜群で、その重なり合った絶妙のハーモニーを見事に再現した「ストロベリーチョコレートインク」は、心がちょっとぎすぎすしているときにでも、優しい言葉が溢れてきそうな、そんなインクです。
今回の「チョコレートインク」には、一切香料を使用していないにもかかわらず、万年筆のペン先から流れるインクを見ているだけで、甘いチョコレートの香りが鼻をくすぐるような感覚で、なんとも摩訶不思議なインクです。
感謝の気持ちを「チョコレートインク」で綴ってみる
「手書き文化を未来へつなぐ」をコンセプト(隠し味)に、若い世代に手書きの良さを見直して欲しいという想いをこめた「ョコレートインク」は、誰もが大好きで身近な存在であるチョコレートをとおして、書くことが楽しいと感じてもらえるインクです。
これからの季節、クリスマスカードや年賀状、そしてチョコレートの一大イベントであるバレンタインデーに、この美味しそうなインクで綴ったメッセージを大切なあの人に感謝も気持ちと一緒に届けてみてはいかがでしょうか?
筆者プロフィール
出雲義和・フリーランスライター
文房具を中心に様々なジャンルで執筆活動を行うほか、テレビやラジオにも出演。様々な視点で文房具の魅力や活用術を発信中。
works:雑誌書籍「趣味の文具箱」「ジブン手帳公式ガイド」「無印良品の文房具。」他、web「WEZZY」「マイナビおすすめナビ(監修)」他