みなさんこんばんは!
ナガサワ文具センターのスタッフ長田です。
マニアックになり過ぎず一般的な視点で『逸品』をご紹介させて頂く『逸品ブログ』。
今回ご紹介させて頂く『逸品』は、”コクヨ 測量野帳”です。
≪コクヨ 測量野帳≫
最近様々な文房具がブームとなりますが、この”測量野帳“もその一つです。
自分好みにカッコ良くシールを貼ったり、可愛らしくマスキングテープを貼ってカスタマイズ。
さらにお気に入りの手帳バンドやペンホルダーを付けて実用的な仕様に。
表紙に自分で絵を描いている方も居られます。
こんな感じで楽しみながら使用されている方も多いのではないでしょうか?
カッコ良く”フィールドノート”と呼ばれたりもしていますね。
しかし、パソコンで”やちょう”を変換させると”野鳥”と変換されてしまい、変換候補にすら挙がってこない”野帳”。
まだまだマイナーな存在なのも確かです。
≪測量野帳とは?≫
手の中にすっぽりと収まるサイズのこの手帳、”測量野帳”という名の通り、元々は測量業務を仕事にされている方向けに開発された手帳です。
コクヨのホームページによると…
『1959年発売の測量野帳は、発売の10年前(1949年)に測量法が制定されたのをきっかけに、ニーズが増大した測量業務の現場の声を反映し開発されました。』
と、掲載されています。
測量野帳はもう60年近く前から発売されている、”超”ロングセラー商品です。
品質改善のための仕様変更があった以外ほとんどデザインが変わらない珍しい商品です。
屋外で、片手に持って筆記しやすいように、そして耐久性を持たせるように。
特殊なサイズは、現場の方の作業着のポケットに入るように。
そのようなコンセプトで開発された、まさに”測量士や測量技師の為の手帳”が測量野帳です。
測量野帳はノートではありません。
コクヨの測量野帳の品番を見てみると…『セ-●●』となっています。
“セ”で始まるコクヨの品番は製図用品を示します。
ノートではない事の証明ではないですが、コクヨの測量野帳は”セ”で始まることからノートではなく製図用品です。
少し余談ですが…
ノートは『ノ-●●』、ファイルは『フ-●●』、伝票は『テ-●●』です。
このように、コクヨ製品は品番でどのような製品かが分かりやすいようになっています。
少し話が脱線しましたが、そんな測量野帳を今回は少し掘り下げてみたいと思います。
※ご紹介商品の中には、オンラインショップにてお取り扱いしていない商品もございます。
弊社の実店舗(本店)ではお取り扱いしておりますので、ご興味ある方はお問い合わせ頂ければ対応させて頂きます。
≪測量野帳の種類≫
一口で測量野帳と言っても、大きく分けて3種類あります。
ここでは測量野帳本来の使用方法をお伝えします。
・ レベルブック(LEVEL BOOK)
水準儀を用いた測量をするために開発された測量野帳です。
レベルブックのレベルとは、水準測量という高さを求める測量で使用される機器に由来します。
道路工事で作業員の方がよく三脚に乗ったカメラのようなものを見ているシーンがあると思います。
そうです、あれは水準測量をしているんですね。
通常は測定したレベル(高さ)を左ページに、それらのメモを右側に記入に記入します。
・ トランシットブック(TRANSIT BOOK)
トランシットという角度を計測するために開発された測量野帳です。
トランシットとは角度を計測する測量機器の一つです。
よく間違われるのですが、”トランジット”ではありません。”トランシット”です。
地図や土地の面積などを求める際に必要となる距離や角度の測定データを記入します。
通常は測定した距離を左ページに、測定した角度を右側に記入に記入します。
・ スケッチブック(SKETCH BOOK)
特に使い方を限定している訳ではなく、自由に何でも書き込める測量野帳です。
3mmの方眼罫が採用され、ちょっとしたメモやイラストなどを書き込みやすくなっています。
自由度が高いので一番人気があります。
皆さんがカスタマイズしているのもこのスケッチブックがほとんどだと思います。
≪変わり種の測量野帳≫
・耐水タイプ
カバー、中紙ともに耐水性の素材を使用することで、水に塗れる状況でも使用できる測量野帳です。
カバーはオレフィン系樹脂のソフトカバータイプと、PP製のハードカバータイプがあります。
中紙はどちらもユポ紙と呼ばれる合成紙です。
ちなみに…ユポとは合成紙を製造している(株)ユポ・コーポレーションの社名から来ており、登録商標です。
紙をよく見ると、若干光沢があるのを分かって頂けると思います。
・デザイン重視タイプ
最近の”野帳ブーム”で可愛らしい測量野帳が数多く発売されています。
今回ご紹介するコクヨ”trystrams(トライストラムス)”ブランドの測量野帳もその一つです。
デザインや表紙カラーが通常の測量野帳とは異なり、カッコイイ(可愛らしい)手帳として販売されています。
このような測量野帳は、スケッチブックのみの発売となっています。
裏面の”proudiy made in Japan by trystrams”の金の箔押しがカッコイイですね!
最近ではサイズバリエーションも増えてきて、様々な使い方が出来るようになっています。
≪コクヨ 測量野帳のこだわりポイント≫
測量野帳はハードに使用されることが多いので、丈夫な仕様になっています。
中紙は”糸かがり”されています。
最近のノートは紙がボンドやホチキス針で固定されているものが多いのですが、どうしてもハードな使い方をすると紙が取れることがあります。
実務で使うものだからこそ、こういった細かい部分にまで拘りが見えます。
耐水タイプの測量野帳も独特の綴じ方がされています。
比較的最近発売された、赤・黄・青の3色展開の”ブライトカラーシリーズ”では、熱を加えて溶着(圧着)されています。
よくクリアファイルなどに採用されている方法です。
こちらも糸かがりした時と同じように、ハードに使うからこそ丈夫に作るという拘りが見えます。
≪ナガサワオリジナル測量野帳≫
ナガサワ文具センターでは、コクヨの全面協力の元、コクヨオリジナル測量野帳にオリジナルの金の箔押しをデザインした野帳を発売中です!
発売当初は5種類ありましたが、現在は2種類を販売しています。
実はコクヨの正式な品番(セ-Y3)を冠したオリジナル商品は世の中にほとんどありません。
そういった意味でも”マニア心”をくすぐる商品だと思います。
オリジナル万年筆や万年筆インクをはじめ、様々な文房具をイメージしたデザインでお蔭さまでお客様からご好評を博しています。
廃盤柄を復活してほしいというお声も多く頂くのですが、現在のところ未定です。
現在ラインナップされている2種類も品切れ気味(申し訳ありません)ですので、ぜひ気になる方はご購入下さいね!
≪測量野帳のまとめ≫
“測量野帳”いかがでしたでしょうか?
ノートのようでノートではない、手帳のようで手帳でもない…
本来は実務的な使われ方を想定して作られた商品なのに、現在は売れている理由は全く違う…
使われ方は変わってるのに、商品仕様はほぼ変わらない…そんな測量野帳。
とても面白い商品ですよね!
お手頃価格(1冊¥200〜)なのも魅力です。
これぞまさに逸品!
“あなた色”に染めた測量野帳を使ってみるのはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
今後も『逸品』と感じた商品をご紹介していきたいと思います。
また次号をお楽しみに!