2015年の発売いらい、ノート売場で「ぷにぷに」っとした感触のリングノートに癒される人が多数。それが、コクヨのソフトリングノートです。
「ソフトリング」の名の通り、用紙を束ねるリングが樹脂製でやわらかいため、筆記具を持つ手の側面がリング部の上にのっても邪魔になりません。「ぷにぷに」は立派な機能なのです。
「邪魔にならないといっても…手が上にのっかるのだから、気になるのでは?」
と思ってリングの上へ手の側面をのせてみると…
これがまったく気にならない!!
ノートを左右開いて机に置いた状態でもリングの出っぱりは気にならず、またノートを二つ折りにすると、いっそう気になりません。
リングノートを使う大きな理由のひとつに「二つ折りにして省スペースで書けること」があるものですが、こちらのソフトリングノートはリングも気にならないのでまさに絶好。
というかこの樹脂リングのぷにぷに感がとても心地良いので、むしろ手の側面に当たって「気になりたい!」…とさえ思うのでした。
さてこのリング、ぐるっと丸形をしているようでも上から見ると「D」形をしています。
ノートを開いた紙面側(写真の、上に向けた側)のリングが、平らになっていますね。そして、リングを綴じてある部分は、裏表紙の内側へくるようにしてあります。
この紙面側のリングがまっすぐしていることで、ページがめくりやすく、また閉じた時にページの端が揃います。
紙面は横罫・ドット入り罫線で、A5サイズ6mm罫=29行です。
あと1行あったら30行なのに! と思ったら一番下の余白も使い、さらにあともう1行あったら31行で月間表にも使えるのに! と思ったら一番上の余白も使うといいようにできています。
そのあたりはCampusノートや測量野帳など、使いやすさと機能性の高さに定評のあるコクヨ。ドット罫は図を書くのにも役立ちそうだな…と思い、前回の第百五十一回で3本揃ったペリカン スーベレーン300シリーズを使って書いてみました。
ドット罫を使って図を書いてみると、形がとても取りやすい!
淡い罫線の印刷は控えめでも目印にもなって、万年筆での書き心地も抜群です。インクの発色も綺麗! インクは、ペリカン エーデルシュタインのアベンチュリンです。
一緒に書いたボールペンとペンシルの書き心地も上々。万年筆でも、ボールペンでも、黒鉛芯でもうまくいくのがコクヨの紙だな…と痛感します。
このソフトリングノートは「COLORFUL」A5判・50枚入りで、2015年の発売当初の型番製品となりますが、その後ソフトリングノートにはラインナップが格段に増えました。
それらのなかでも、セミB5・A5サイズのあらましを以下に記します。
◆ COLORFUL:セミB5/A5 中横ドット罫 B5・40枚/A5・50枚(元祖ソフトリングノート)
◆ COLORFUL 80:セミB5/A5 中横ドット罫/5mm方眼罫/無地 80枚(大容量・用紙には切り取りミシン目入り)
◆ NATURAL:セミB5/A5 7mm横罫 80枚(クラフト表紙・大容量・切り取りミシン目入り)
◆ CLEAR:セミB5/A5 中横罫/5mm方眼ドット罫 80枚(透明PP表紙・大容量・切り取りミシン目入り)
◆ BUSINESS:セミB5/A5中横罫/5mm方眼罫 70枚(シックなブラック表紙に箔押し・厚口で裏抜けしにくい用紙・切り取りミシン目入り)
◆ ENGLISH:セミB5 英習罫15段(並罫)/英習罫13段(並罫) 40枚(英語学習用)
◆ Biz:セミB5/A5 中横罫/中横ドット罫/5mm方眼罫 B5・40枚/A5・50枚(ニス加工の高級感ある表紙・ページの端に見出しを書けるエッジタイトル欄付き)
この他にB6・A6・A7サイズのCOLORFUL mini/CLEAR mini/BUSINESS miniもあり、ポケットサイズも万全。
用途や表紙の好みに合わせて選べるソフトリングノートは、売場で選ぶ楽しみもまた格別なものです。
何かのプロジェクトに一冊まるごと割り当てて、その優れた使い心地を試されてみてはいかがでしょうか。
小日向 京(こひなた きょう)
文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。