今年も秋の手帳シーズンがやってきました。
いや、やってき「てしまい」ました。と言うべきか。
夏の終わりから徐々に売場に並びはじめた来年の手帳が、10月を迎えていよいよラインナップ本番となるのです。
手帳好きの人々なら、現時点ですでに来年の手帳を何冊か購入しているとお察しします。私もすでに3冊ばかり…▽
…という感じ。
なぜ何ヶ月も先に使い始める手帳を、こんな早くに買い求めるのか。
それは、そこに来年の手帳が売られているから!
今使っているものと違う手帳にした場合、色々吟味するための「試用期間」が必要でもあるし。
迷っているうちに、売り切れになったら困るし。
使ってみると、これまで気付かなかった便利なところに気付くかも知れないし。
手帳選びは、まだまだ終わらんよ。
そう武者震いをする頃合いのいいタイミングで開催されるのが、「日本手帖の会」による「手帳100冊! 書き比べ総選挙」です。
通称「手帳総選挙」と呼ばれるこのイベントは、発売中の翌年の手帳から100冊を日本手帖の会が選考し、その現物を並べて、訪れる人が自由に手に取って試し書きできるというものです。
参加費は無料。来場時にはアンケート用紙とシールが3枚配られ、そのシールを自分が「いいな」と思った手帳のところに貼って投票します。シールを貼ることができるのは、ひとつの手帳につき1枚のみ。シール3票分は、すべて使わなくても構わないというものです。
100冊のなかから、どの3冊を選ぼうか? そう思いながら、ふだん使い慣れた筆記具で手帳に書き込みシミュレーションしてみると、売場で手帳をパラパラと立ち読みしていただけでは気付かなかったところが見えてきます。
2012年から始まった手帳総選挙は今年2015年で第4回を数え、8月には開催に先立って日本手帖の会が監修した手帳選びの指南本『手帳事典』(玄光社刊・1,600円+税)も刊行となりました。
手帳総選挙は東京での開催を皮切りに、今年も神戸・横浜と各地で行われます。
その神戸会場が、ナガサワ文具センターの神戸煉瓦倉庫店。
店舗となりのイベントスペースにて、10月10日(土)・11日(日)・12日(月祝)の3日間にわたり開催されます。
『手帳事典』では186〜189ページで「手帳SPECIAL対談」と題して、日本手帖の会 前代表・間辺雄輔さん、文具コンサルタント・土橋 正さん、小日向 京が手帳について語り合うページが掲載されていますが、その同じメンバーでの「生対談」を神戸煉瓦倉庫店では同時開催。
10月10日(土)18時30分開場・19時開始、先着30名様・参加費1,000円税込です。
間辺さんの軽妙トークが冴える!
土橋さんの手帳使いに感じ入る!
小日向はああだこうだと吠える!
そんな楽しく熱きトークイベントとなりますので、手帳総選挙と併せてどうか足をお運びくださいませ。
NAGASAWA神戸煉瓦倉庫店でのイベント情報詳細はこちらです。
この店舗のある神戸ハーバーランド煉瓦倉庫は、明治30年頃に建造された神戸港の貨物倉庫で、神戸市指定 景観形成重要建築物に指定される歴史的文化遺産です。
煉瓦は長い面と短い面を一段おきに向きを変えて重ねられていく「イギリス積み」という壁構造で、強度が高く、使う煉瓦の量が少なくて済む方法なのだそう。その壁面模様の美しさとあたたかみあふれる煉瓦の風合いも、ぜひ鑑賞してみてください。
上の写真はNAGASAWA神戸煉瓦倉庫店の店長さんに撮影していただきました。今週末訪れることを楽しみにしています!
手帳総選挙は今年も日本国内にとどまらず、11月末には台湾でも開催されるそうです。
そして12月5日(土)には東京カルチャーカルチャーで投票結果発表を兼ねた「感謝祭」が行われるとのこと。結果発表を楽しみに待ちたいと思います。
その頃に私たち自身の、来年使うことになる手帳はいったい何に決まるのか?
毎年決めた手帳があるという人にも、色々書き比べてみると何が起こるかわからない……そんな手帳総選挙へいざ! 参りましょう。
小日向 京(こひなた きょう)
文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。