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小日向京のひねもす文房具|第十六回「2016手帳へのカウントダウン」

2016手帳へのカウントダウン

早いもので師走。
師走といえば、1月始まりのスケジュール手帳。
即座にそう直結させるのが、文房具好きの証。
みなさん、来年の手帳はもう決まりましたか?!

2016手帳へのカウントダウン

なかには今年11月から使い始められる来年の手帳もあったりなどして、「決まったし、もうすでに使い始めているよ」というかたもおられることでしょう。
──羨望の眼差し!
小日向もこのところ毎年同じ手帳を使っていたため「来年のが発売になる→買う→取り替える」というシンプルな年の瀬を颯爽と過ごしていたのですが、なんと今年。

その手帳が! 廃番となってしまった!

ので、にわかに再び手帳探しの旅に出ているところです。
あらかた決まってはいて、買い求めてもいるのですが……それが冒頭の手帳たちで。
……多いよ!! などとひとりツッコミを入れながら日々、手帳売場を回遊するのでした。

思うところ、自分が手帳に求めるものは以下です。

◇いつも手に取ってページを開きたくなるデザインと造本
◇手持ちの筆記具で快適に書ける用紙と書き込み欄
◇手荒に扱ってもへたることのない耐久性の高さ
◇一目で認識しやすいレイアウトと書体

これらが満たされていると「絶えず持ち歩いて書き込み、確認し、予定を忘れず、やるべきことを遂行できる」と考えます。それが手帳を使う目的というわけです。
しかし前印象で「いいな」と思っても、実際にその手帳を使いながら一定期間をともに過ごしてみないと本当に「いい」のかどうか、わからない。
「うまくいったら手帳のおかげ、うまくいかなかったら手帳が合わない」として、これというものに巡りあうまで探し続けます。

「それって手帳じゃなくて自分のほうに問題があるんじゃないの?」と思われますか。
──そう、そっちが問題なのです。
「1年後の目標を定めよう」「タスクを管理しよう」「色分けを徹底させよう」などなど、心に律したことを自分が忘れずにやる人間なのかというと、やるわけがないのです。
真剣になるのは、せいぜい用紙のインクの裏抜けを比較検討することか。
年号が変わるくらいじゃ改心する様子もない。こいつは実に我が儘で怠惰な人間なのだ。
そんな「こいつ」をどうにか動かすためには、うまいことその気にさせるのが得策です。
そこで文房具の力を借りて、「えーっ、楽しい!」と思わせ、喜んでいるうちにまんまと目的を遂行する……という手だてをこれまで何十年か講じてきました。
これは、確実に効く。というわけで手帳選びのさいにも同様の手を使うのです。
「毎日手帳を開いて記入しよう。」と決意してもきっと三日で忘れるため、その決意を忘れてもなお自然と手がのびるものが必要です。手がのびたからには開く。開いたからには書く。そして読み返して、予定に気がつく。の繰り返しで、1年をなんとか切り抜けてきたのでした。

そんなこんなで手帳選びを進めると、つわものどもが ゆめのあと…という感じで「選ばれなかった手帳たち」が残ります。
これらをただ積んでおくのは忍びない。そこで始めたのが「余った手帳をメモに使う」という苦肉の策です。
なんのメモにしても良いですが、せっかく日付欄があるので、その枠を箇条書きに使います。
たとえば見開き2ページで1テーマを設けて、思いついたことを箇条書きにしていくのです。
疲れたら別の見開きに、また別のテーマで考えを巡らせてみる。そして再び過去のテーマに戻って書き加える。…というメモに余った手帳を使うと、手帳だけにハンディで持ち運びしやすく、電車の移動時間などの隙間時間を使って色々な考えをまとめるのにうってつけです。

この「ひねもす文房具」の内容案をまとめるのにも使います。
第三回「NAGASAWA PenStyle キップ 7本差し マルチロールペンケース」の時には、このようなアウトラインを手帳に走り書きしました。▽

2016手帳へのカウントダウン

箇条書きにした時には10本差しと7本差しの両方について書こうとしていましたが、ここでまとめているうちに「7本差しのことだけを書こう」となりました。あとから違う筆記具で書き足しながら、書く内容や撮る写真を決めています。
何か考えをまとめる時に、こうした手帳レイアウトは思考を枠取りで俯瞰できるのが良いところです。
日付入りの手帳は言わば「時限もの」ですが、このようにしてあとから使っても、日付の数字を合番号として活用できます。
写真のように見開き1週間のページに書き込んだ場合、別ページにある月間表は「目次」として使えます。そこにテーマを書き出しておき、あとからざっと眺めて「あ、○月○日の週に書いたこのテーマについてまた練ってみよう」と日付を頼りにページを開く…といった具合です。

あれこれ迷った末についつい手元に手帳が増えてしまう…というかたがたも、余った時にはこの方法があるさと心おきなく手帳選びに没頭できるのでは。
ぜひお試しを!
いらい小日向はこの使い途が欠かせなくなったため、手帳売場を見に行くとスケジュール手帳とは別に「箇条書きに向くものはないかな」と物色する始末。何かますます手帳買いに拍車がかかっているような気がしないでもありませんが、不動のNo.1箇条書き手帳は、NOLTY 能率手帳ゴールドです。
そして来年からのスケジュール手帳は何にすべきか。
そちらも能率手帳にする場合のために、能率手帳ゴールドの黒革とは見分けがつけやすいよう、真っ赤なニューレッドを選んでみました。
博文館新社の要務日記と横線ポケット日記も理想に叶った魅力にあふれ。
コクヨのPat-miは机上でカレンダーにしながら、鞄に入れて持ち運んでも良さそうで。
残りひと月を模索しながら、来年に向けてカウントダウンしていきたいと思います。

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

小日向京のひねもす文房具


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