デザインフィルの新ブランドとして2017年9月に誕生した「PLOTTER(プロッター)」は、クリエイティブワークを愉しむ人のためのツールを展開しています。
PLOTTERとは「計画する人、主催する人、構想する人」を表す言葉とのこと。創造力で未来を切り拓く人をPLOTTERと定義し、そのための道具を提案しています。
とにもかくにも驚かされたのは、2015年の8月にノックスブレインから発売されたスタイリッシュな薄型システム手帳「ルフト」が大好評を博し、2016年にはISOT 日本文具大賞の機能部門でグランプリを受賞しながらも、2017年、PLOTTERの誕生とともにあっさりルフトを販売終了とし、ルフトの魅力はそのままにシステム手帳をPLOTTERブランドでの展開へとスイッチさせたことです。
そして誕生から8ヶ月が経とうとしている現在、PLOTTERの名はすっかり皆に定着。オレンジ色に統一されたリフィルの表紙は、システム手帳売場でひとつのアイコンとなっています。
そんなPLOTTERのシステム手帳リフィルから、バイブルサイズの6ミリ横罫メモパッドを紹介しましょう。
「メモパッド」という名前の通り、用紙はバラではなくて、ノドを糊で綴じてあり、ノートのように使える作りです。6ミリ罫は1ページに24行あり、用紙は1冊80枚=160ページ。
記入する時はこのままのノート状で、書き終わったら紙をピリッとノドから切り離し、バインダーへと移します。
もちろん、書く前から切り離しても良いし、書いたあとにも切り離さず、そのままノートとして使うのも良いものです。
横罫には1〜24までの行数番号が付いており、1行と24行の上下と24行の半分にあたる12行目には目盛りが付いています。そして横罫も目盛りの幅で切れており、フリーハンドでも目盛りを使ってマージンや枠などを書くことができるという技あり罫線。こうしたあたりに、クリエイティブワークに特化した点が見受けられます。ページ上部にある「/」も、日付とページ数など場面に応じて使い分けられるのが良いですね。
書き込んだところです。オレンジ表紙の裏は、付箋メモの仮置き場として使用。75ミリ正方形付箋はバイブルサイズにも相性良しです。付箋の端が破れているのは、ボールペンのダマ取りにちょっと紙が必要だったため…笑。
手書き文字は乱雑ですが、リアルな使用例として引用しました。こちらは左から右へと書き進めていて、右手×縦書きの個人的な書きものにはよくそうしています。筆記具やインクなど、試し書き時に感想とともに書いておくと、あとから読み返して「最初はこんな感想を持っていたんだな」と参考になること多し。用紙は万年筆インクでの裏抜けもありません。
こちらは左ページが鉛筆、右ページが万年筆で書いたところです。
調べもののメモにも便利なバイブルサイズですが、右ページは文房具をテーマとしたネット配信ポッドキャスト番組「ブングスキーラジオ」に出演した回を聴きながらの記述で、音声データもこのようにメモを取り、キーワードを赤鉛筆などで囲んでおくと、あとから内容をスピーディーに振り返ることができて便利です。
こちらは左右ページともボールペンで書いています。こちらもポッドキャスト番組「K3(ケイ・キュービック)のホジラジ」出演回のメモ。先だって2018年3月30日〜4月1日にKIITOで開催された「文具と紙と暮らし市」でのK3さんたちとのトークショーにて公開収録したものです。文具と紙と暮らし市、楽しかったですよね! そちらのイベントについては第百三十五回に書きました。
こうして色々な書きものをこのPLOTTERに綴っていき、切り離してシステム手帳バインダーへ分類します。その前段階として、この冊子になったPLOTTERは持ち運びにも大変便利です。
裏表紙はこのようにシックな黒。この裏表紙が厚手の紙で、良い敷き台となります。鞄の中でもプレート状にまとまって快適。
PLOTTERには各種サイズ・紙面があるので、好みのものを探してみるのが一番です。売場では、表紙のオレンジ色を目印に!
私たちが何かを考え、何かを紙に記す。シンプルなそのことが「クリエイティブワーク」なのだと感じます。
PLOTTERとともに、お気に入りの筆記具で今日も何かを考え書き記しましょう!
小日向 京(こひなた きょう)
文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。