小日向京のひねもす文房具|第三十七回「飾り原稿用紙・碧翡翠(あおひすい)とオエステ会プレラ・カワセミブルー」

飾り原稿用紙・碧翡翠(あおひすい)とオエステ会プレラ・カワセミブルー

前回の第三十六回で紹介した、西日本文房具専門店会である「オエステ会」と、オエステ会から2016年4月23日(土)に限定発売となったオリジナル商品のプレラ・カワセミブルー。
発売すぐの土日にいち早く手にされたかたもおられるのではないでしょうか。小日向も同じく!
爽やかな透明感あふれるブルー軸が、とても印象的な万年筆です。これまでにもなじみあるパイロットのプレラがモデルですから、書き味が良い点も周知のこと。オエステ会のオリジナル商品に、また新たな名品が加わりました。

そして時を同じくして発売となったのが、あたぼうステーショナリーの「飾り原稿用紙」新柄・碧翡翠(あおひすい)です。
飾り原稿用紙はA4サイズ・400字詰の原稿用紙で、その概要は過去に書いた第十三回を御覧いただきたく、飾り枠の種類はこれまでに▽

緑色系の波抹茶(なみまっちゃ)
黒色系の黒雷公(くろらいこう)
桃色系の桃雲流(ももうんりゅう)
紫色系の蔓葡萄(つるぶどう)
茶色系の港煉瓦(みなとれんが)

の5柄がありました。ここに今回加わった6柄目が、青色系の碧翡翠となります。
碧翡翠もオエステ会の最新プレラと同じく、モチーフは水辺に生息する鳥であるカワセミ。
冒頭の全景写真の通り、この二つを組み合わせると相性ぴったりです。
お互いに示し合わせたわけでなく、偶然にカワセミだったので驚きました。
きっと今ごろ川辺のカワセミや、湖のほとりのカワセミも驚いていることでしょう。

「…湖のカワセミさん!」
「あら、川辺のカワセミさん。息を切らして、どうなさったの?」
「どうもこうもないわ。あたしたちが文房具になったのよ!」
「まあ。この自慢の鮮やかな羽色を文房具に取り入れたらさぞ、素敵でしょうね」
「それが先週、万年筆にもなったし、原稿用紙にもなったのよ!」
「えーっ、それはぜひ見てみなきゃ」
「そうよ今すぐ行ってみましょうよ!」
「ここから一番近いのは……」
「……NAGASAWA神戸煉瓦倉庫店のようね」
「それならひとっ飛びだわ。あたくしについてらっしゃい!」

うなずき合い、飛びたつ川辺のカワセミさんと湖のカワセミさん。
そんな光景が浮かんできます。

飾り原稿用紙・碧翡翠(あおひすい)とオエステ会プレラ・カワセミブルー

プレラ・カワセミブルーで碧翡翠に書いたところは上の写真の通り。
インクはどの色を入れるか大いに悩みましたが、ペリカン・エーデルシュタインのジェードにしてみました。
「翡翠(ひすい)」といえばまず浮かぶのが天然石のジェードを表す言葉ですが、このジェードを漢字で翡翠と表した由来が、「カワセミやヤマセミなど、カワセミ科の鳥の青緑色の羽色に似ているため」なのだそう。カワセミは漢字で「翡翠」とも書きます。

飾り原稿用紙・碧翡翠(あおひすい)とオエステ会プレラ・カワセミブルー

そのようなわけで、万年筆×インク×原稿用紙を翡翠づくしにした次第です。
プレラの字幅はF。紙への当たりは硬めで、ペン先をすべらせるとなめらかにインクが流れ出る書き味は、どこか細字の水性ボールペンのよう。そんなところが気負うことなく「万年筆で書こうかな」という気分にさせられます。

飾り原稿用紙・碧翡翠(あおひすい)とオエステ会プレラ・カワセミブルー

嬉しいことに、プレラ・カワセミブルーにはコンバーター付き。ボトルインクもすぐに使うことができます。ペン先にはオエステ会のマークが刻印されています。

そして飾り原稿用紙に使われているキンマリ・スノーホワイト紙は、碧翡翠でも絶好調。
愛らしいカワセミと、清々しい水の流れを表した飾り枠には小魚も弾けています。この小魚は、原稿用紙の目盛りとして5文字・5行おきに配されているのも楽しいポイント。
紙の中央・柱には、魚をくわえて飛翔するカワセミと水紋が。飾り原稿用紙すべてのデザインを手がけるhoririumさんのセンスが随所に光っています。

プレラ・カワセミブルー、飾り原稿用紙・碧翡翠ともに自分使いにするのにも、プレゼントにするのにも良いものです。
「万年筆はまだ使ったことがなくて」あるいは「原稿用紙、懐かしいなあ」という人への贈り物にもぴったりなのではないでしょうか。

さて、最後にこの碧翡翠の発売に際した御案内です。
来る2016年5月4日・5日(水祝・木祝)、NAGASAWA神戸煉瓦倉庫店にて小日向が2日店員をつとめることになりました。

飾り原稿用紙・碧翡翠(あおひすい)とオエステ会プレラ・カワセミブルー

両日ともに、通常の店員さんたちと同じシフト構成で挑みます。
店内には試し書きコーナーも設け、碧翡翠をはじめ飾り原稿用紙シリーズやオエステ会 プレラ・カワセミブルーを御用意してお待ちしています。
ゴールデンウィークの合間、どうぞお気軽にお越しください!

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

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飾り原稿用紙・碧翡翠(あおひすい)とオエステ会プレラ・カワセミブルー