小日向京のひねもす文房具|第八十五回「オエステ会 プレラ パロットグリーン」

小日向京のひねもす文房具|第八十五回「オエステ会 プレラ パロットグリーン」

今年もオエステ会の限定プレラ発売時期がやってまいりました!
オエステ会は西日本に本社のある文房具専門店が集まって発足した団体の名称で、「西日本文房具専門店会」「West japan Stationer’s circle」とも称され、これまでにも数々のオリジナル文具を発表しています。
なかでも例年登場する限定軸のプレラには年々ファンが増殖。2017年3月25日に発売となった第4弾「パロットグリーン」が上の写真です。
鸚鵡をイメージした鮮やかで爽やかな緑色は実にインパクトあり。
昨年の第3弾「カワセミブルー」は4月23日の発売でしたから、約ひと月早く店頭に並んだのですね。
ちなみに第1弾は「カナリアイエロー」、第2弾は「フラミンゴピンク」でした。…そう、オエステ会オリジナルプレラは、いずれも鳥の羽色がモチーフになっているのです。

オエステ会のあらましと、昨年のプレラ カワセミブルーについては、第三十六回第三十七回に書きました。

小日向京のひねもす文房具|第八十五回「オエステ会 プレラ パロットグリーン」

プレラにはコンバーターも付属するところが魅力です。今年のものの昨年と異なる点は、コンバーターに新たなCON-40が付属している点です。昨年までのCON-50に比べて多少タンク容量は少なくなったようですが、金属部分の面積が減り、タンク内のインクを攪拌させる部品も小さな球状となり、回転ツマミは透明になりました。これは透明軸での見え方にぐっと明るさが増し、プレラがいっそう引き立つことと感じます。

それにしても鸚鵡を模した今回のパロットグリーン。現物を見る前から「どのインクを入れようか」とあれこれ考えるのも楽しいひとときでした。
軸色とインクの組み合わせを検討する時の方針は、以下のいずれかとなります。

【A】軸色とインク色を同系色にする
→軸色がインク色のガイドとなる言わば「色鉛筆」方式。ひと目で中身のインク色を連想できる
【B】軸色とインク色を補色(色相環で正反対側に位置する色)や、意外性のある色にする
→軸色を眺めながら、わーこんな色が出てきちゃうよ…わくわく! と常に新鮮な心地になれる
【C】いつもたいていの万年筆に入れるブルーブラックにする
→軸色とは関連がなくなるものの、インク切れのさいに他の同形式のカートリッジやコンバーターの万年筆とシャッフル使いができる

オエステ会プレラは書き味の良さに加えて軸色も楽しめるいわば「祭り系万年筆」ですから、これはインクごと楽しまにゃならんだろう…と、【A】か【B】を選択。
しかし【A】の場合、今回のようなグリーン系には注意が必要です。なぜなら、ブルー系に比べてグリーン系は「ちょっと違う緑色をしているだけでずいぶん違う」という印象があるからです。「グリーン系」と言われるインクならすべてパロットグリーンの緑みに合うのかどうかというと、必ずしもそうとは言い切れません。

服装の色合わせで考えてみましょう。
・水色のシャツ+濃紺のパンツ→大いにアリ
・濃紺のカットソー+水色のスカート→アリ
・コバルトブルーのセーター+ブルーデニムのジーンズ→アリ
ですが、
・淡いグリーンのシャツ+深緑のパンツ→あってもまあ良い
・深緑のカットソー+抹茶色のスカート→この人は緑が好きなのかな…という感じが漂う
・鮮やかグリーンのセーター+常緑樹っぽいウールのパンツ→もはや緑の使者
となることが想像できます。

じゃ【B】のわくわく方式にしようか。
青寄りの緑の補色は紫系、黄色寄りの緑の補色は赤系となります。
パロットグリーンの現物を目にしたところ、どちらかというと黄色寄りなので、ここは赤系に狙いを定め。
なかでも鮮やかなマゼンタ系ピンクは合うのではと眼光鋭く。
季節は春を迎えることもあり、やわらかめに、春めいたピンクはどうかしら。
と熟考した結果、Kobe INK物語 30番の「王子チェリー」にしました。

小日向京のひねもす文房具|第八十五回「オエステ会 プレラ パロットグリーン」

良い良い! と、ひとり満足。プレラ パロットグリーンの現物を見てからも、そして購入してからもしつこく考え抜き、ならば台所の食品収納位置などについてもっと真剣に悩んだほうがいいのでは…というほど考え抜き、選んで注入したインクがぴったりくるのは喜びもひとしおのことでした。

さっそくプレラ パロットグリーンをお求めになられた方々は、どのようなインクを入れられたでしょうか。新たな万年筆が(また)加わった喜びを存分に味わいましょう!

さて、先ほど引用した2016年プレラ カワセミブルーの過去記事・第三十六回第三十七回の頃には、同時期に小日向監修の「飾り原稿用紙 碧翡翠」があたぼうステーショナリーから発売となったものでしたが、今年もほぼ同じくで、上の写真で文字を書いた紙は小さいサイズの「ふたふで箋」の新柄・金鶯錯(きんおうさく)です。
金鶯錯は、飾り原稿用紙(400字詰)とふたふで箋(200字詰)の同時発売。
昨年と同様に、オエステ会限定プレラ記事の次にはこちらの話題を来週いたしたく思います。

小日向 京(こひなた きょう)

文具ライター。
文字を書くことや文房具について著述している。
『趣味の文具箱』(エイ出版社刊)に「手書き人」「旅は文具を連れて」を連載中。
著書に『考える鉛筆』(アスペクト刊)がある。
「飾り原稿用紙」(あたぼうステーショナリー)の監修など、文具アドバイザーとしても活動している。

小日向京のひねもす文房具




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