オフィスのネットワークカメラ完全ガイド|防犯・情報漏えい対策・リモート監視まで

近年、オフィスに「ネットワークカメラ(IPカメラ)」を導入する企業が一気に増えています。防犯・不正対策はもちろん、ハラスメント防止、労務管理、リモートワークや多拠点管理など、活用シーンは「監視」の一言では収まりません。
本記事では、「オフィス ネットワーク カメラ」で情報収集している方向けに、ネットワークカメラの基礎から、種類・選び方・設置ポイント・注意点までをまとめて解説します。

そもそもネットワークカメラとは?防犯カメラとの違い

アナログ防犯カメラとの違い

ネットワークカメラ(IPカメラ)は、その名の通りLAN(ネットワーク)に直接接続して映像を送るカメラです。昔ながらのアナログ防犯カメラと比べると、以下のような違いがあります。

  • LANケーブル1本で「電源供給(PoE)+映像+音声」がまとめて伝送できるモデルが多い
  • パソコンやスマホ、タブレットから遠隔で映像を確認できる
  • 複数拠点のカメラ映像を一括管理しやすい
  • クラウド録画サービスと連携しやすく、録画機(NVR)なし構成も可能

オフィスのようにネットワーク環境が整っている場所では、アナログよりもネットワークカメラの方が柔軟で拡張性の高い選択肢になります。

オフィスでネットワークカメラが選ばれる理由

  • 既存の社内LANを活用しやすく、配線がシンプル
  • クラウド録画を使えば、万一の盗難や火災でも映像データを守りやすい
  • 本社から支店・サテライトオフィス・倉庫などを一括で遠隔監視しやすい
  • リモートワーク中のオフィス状況や、共有スペースの混雑状況なども確認できる

オフィスにネットワークカメラを導入する主なメリット

不正行為・情報漏えいの抑止と証拠保全

オフィスにカメラがあることで、来訪者や従業員による不正行為・情報持ち出しなどへの抑止効果が期待できます。また、万が一トラブルが起きた際も、録画データが客観的な証拠となり、原因究明や再発防止に役立ちます。

ハラスメント防止・労務管理の「見える化」

近年は、ハラスメントや職場トラブル対策として、フロア全体や共有スペースにカメラを設置するケースも増えています。
ただし、「従業員の監視」が目的ではなく、「誰もが安心して働ける環境づくり」の一環として、就業規則や社内ガイドラインで目的を明確にしておくことが重要です。

リモートワーク時代のマネジメント・BCP対策

  • 在宅勤務が増え、管理者が常駐しない時間帯もオフィスの様子を確認できる
  • 災害時やトラブル発生時に、現場の状況を遠隔から確認して指示ができる
  • 複数拠点の稼働状況を本部から一括で確認し、人員配置や業務配分に活用できる

オフィス向けネットワークカメラの主な種類

形状で選ぶ:ドーム型・バレット型・PTZ型など

  • ドーム型カメラ:天井に設置する半球状のカメラ。オフィスに馴染みやすく、レンズの向きが分かりにくいため、広範囲の抑止効果が期待できます。
  • バレット(BOX)型カメラ:筒状のカメラ。レンズの向きが分かりやすく、威嚇効果が高いので出入口や通路に向いています。
  • PTZカメラ:パン・チルト・ズーム機能付きで、遠隔操作で向きや拡大を変えられる高機能モデル。広いフロアや倉庫などで活躍します。

接続方式で選ぶ:PoE有線・Wi-Fi・クラウド一体型

  • PoE(有線LAN)タイプ
    LANケーブル1本で電源と通信をまとめられるため、安定性が高く、オフィスの常設カメラとして最も選ばれやすい方式です。
  • Wi-Fiタイプ
    配線工事を最小限にしたい場合や「レイアウト変更が多いオフィス」「仮設オフィス」に向いています。ただし、電源(コンセント)は別途必要です。
  • クラウド一体型
    カメラ本体にクラウド録画サービスが紐づいており、インターネットにつなぐだけで遠隔監視・録画が可能なタイプです。自前で録画サーバーを用意したくない場合に便利です。

録画方式で選ぶ:レコーダー(NVR)型とクラウド録画型

  • NVR(ネットワークビデオレコーダー)型:オフィス内のレコーダーに録画。ネットワーク負荷を抑えやすく、月額費用も抑えられますが、盗難・災害時には録画機ごと失われるリスクがあります。
  • クラウド録画型:インターネット経由でクラウドに録画。設備コストを抑えやすく、障害時のデータ保全に強い一方、帯域や月額費用の設計がポイントになります。

失敗しないネットワークカメラの選び方チェックポイント

1. 画質・画角・暗所性能を確認する

オフィス用途では、顔や手元の動きが認識できる程度の画質が必要です。一般的には以下を目安に検討します。

  • 解像度:フルHD(約200万画素)以上が現在の主流
  • 画角:フロア全体なら100〜120度前後、通路などなら50〜90度前後
  • 暗所性能:夜間や消灯時の映像も必要なら、赤外線(IR)や低照度対応モデルを選ぶ

2. マイク・スピーカーなど音声機能の有無

  • 受付やエントランスでの来訪者対応に音声通話を使いたいか
  • 会議室や共有スペースの「音」も記録する必要があるか

音声録音はプライバシーの観点からもセンシティブなため、必要性と運用ルールをよく検討しましょう。

3. AI・分析機能の活用可否

最近のネットワークカメラやクラウドサービスには、以下のようなAI機能が搭載されているものもあります。

  • 人検知・侵入検知・不審行動検知
  • 人数カウント・滞在時間分析
  • マスク着用有無、混雑状況の分析 など

「ただ撮る」だけでなく、オフィスのレイアウト改善や働き方の見直しにも活かしたい場合は、AI分析機能があるサービスを検討してもよいでしょう。

4. セキュリティ・情報漏えい対策

ネットワークカメラは「インターネットにつながる機器」である以上、セキュリティ対策が必須です。

  1. 初期パスワードの変更(ID/パスワードを強固なものにする)
  2. カメラ用ファームウェアの定期的なアップデート
  3. カメラ用ネットワークの分割(VLAN・セグメント分け)
  4. クラウドサービス側の暗号化・アクセス権設計の確認

5. 運用・管理のしやすさ

  • 管理画面が分かりやすく、日本語表示・サポートが充実しているか
  • スマホアプリ・ブラウザから複数拠点をまとめて確認できるか
  • アカウントごとに閲覧権限・操作権限を分けられるか

ネットワーク設計とセキュリティ:インターネットに「丸出し」にしない

社内LANとカメラ用ネットワークを分ける

理想は、業務用PCとは別に「カメラ専用ネットワーク(VLAN)」を用意し、録画用NVRやカメラをその中で完結させる構成です。
クラウド録画を使う場合でも、ファイアウォールやルーターの設定で不要なポート開放を行わないよう注意しましょう。

VPN・閉域網・クラウドの使い分け

  • 本社から拠点のカメラ映像を見る場合:VPNや閉域網を使うと安全性が高まる
  • クラウド録画の場合:サービス側がどのような暗号化・認証方式を採用しているかを確認する

帯域と保存容量の目安

カメラの台数・画質・フレームレート・録画時間によって必要な帯域やストレージ容量は大きく変わります。ざっくりとしたイメージとして、

  • フルHD / 1台あたり 数Mbps前後 × 台数分が常時流れる
  • 「何日分録画したいか(7日・14日・30日など)」を決めて必要容量を逆算する

設計に不安がある場合は、ネットワークに強い業者に相談するのがおすすめです。

プライバシー・法律面で必ず押さえておきたいポイント

就業規則・社内規程に目的と設置場所を明記する

監視カメラの映像は、従業員の個人情報となり得ます。
そのため、

  • 設置目的(防犯・安全確保・ハラスメント防止など)
  • 設置場所・撮影範囲
  • 録画データの保存期間・閲覧権限

といった内容を、就業規則や社内ガイドラインに明記し、従業員に周知しておくことが重要です。

撮影しないエリアを決める&プライバシーマスクを活用

  • トイレ・更衣室・休憩室など、私的な空間が映らないように設置位置・向きを配慮する
  • カメラの「プライバシーマスク」機能で、一部エリアをマスキングして映らないようにする

映像の保存期間・閲覧権限のルール作り

  1. 保存期間の基準(例:通常は7〜30日、事故等が発生した場合は必要な範囲で保全)
  2. 閲覧できる役職・担当者を限定し、アクセスログを残す
  3. 目的外利用(私的な監視・評価など)を明確に禁止する

導入ステップ:オフィスネットワークカメラの進め方

1. 目的を整理し、撮影したいシーンを書き出す

まずは「なぜカメラを導入したいのか」をクリアにします。

  • 不審者侵入対策をしたいのか
  • 受付・来訪者対応を効率化したいのか
  • ハラスメント防止やトラブル時のエビデンス確保か
  • 複数拠点の管理・リモート監視が目的か

2. 現地調査と配線・電源の確認

  • 天井の構造・配線ルート・電源コンセントの位置を確認
  • LANケーブルを新設する必要があるか、Wi-Fiで対応できるか検討

3. 機器選定・見積もり・比較検討

複数社から、

  • カメラの機種・台数
  • 録画方式(NVR / クラウド)
  • 工事費・月額費用(クラウド利用料など)

を比較し、自社の運用イメージに最も合う構成を選びます。

4. 設置工事・設定・試験運用

  • カメラ設置・配線・PoEスイッチやレコーダーの設置
  • 映像の角度・画角の調整、録画スケジュールの設定
  • 試験運用期間を設け、死角や運用負荷がないかを確認

5. 社内周知と運用ルールの定着

導入後は、従業員向けに

  • 設置目的
  • 設置場所・撮影範囲
  • 録画データの扱い方

を説明し、安心して働ける環境づくりのための施策であることを共有しましょう。

よくある失敗例とその対策

画質不足・死角が多く、いざという時に使えない

対策:事前に「どの位置で、どのくらいの距離の顔を識別したいか」を確認し、デモ機やサンプル映像でチェックしてから機種を決めます。

ネットワークが不安定で映像が途切れる

対策:Wi-Fi任せにせず、重要なカメラはPoE有線接続を優先。クラウド録画の帯域設計も事前に確認しましょう。

従業員から「監視されている」と反発が出る

対策:導入前から目的を丁寧に説明し、「監視」ではなく「安全と安心」のための施策であることを明確にします。就業規則やガイドラインに書面で残すことも重要です。

オフィスにおすすめの設置場所例

  • エントランス・受付前:来訪者・入退室の記録
  • 出入口・非常口・通用口:侵入防止・防犯対策
  • エレベーターホール・エレベーター内(管理規約を確認のうえ):人の動線の把握
  • 執務スペース全体:ハラスメント・トラブル対策、災害時の状況確認
  • サーバールーム・倉庫・金庫室:重要情報・貴重品の持ち出し防止
  • バックヤード・荷受けスペース:荷物の受け渡し・盗難防止

一方で、トイレ・更衣室・休憩室など、プライバシー性の高い場所には原則カメラを設置しない、という線引きを明確にしておきましょう。

まとめ:防犯だけでなく「働きやすさ」を高める投資として考える

オフィスのネットワークカメラは、「防犯カメラ」という枠を超えて、
安全性の向上・トラブルの予防・働きやすい環境づくり・遠隔マネジメントまでを支えるインフラになりつつあります。

「とりあえず安いカメラを適当に設置する」のではなく、

  1. 導入目的を明確にする
  2. 必要な画質・機能・台数を整理する
  3. ネットワーク・セキュリティ・プライバシーを考慮した構成を組む
  4. 社内ルールを整備し、従業員と目的を共有する

というステップを踏むことで、ネットワークカメラは「コスト」ではなく、「オフィスの価値を高める投資」として大きな効果を発揮してくれます。
自社のオフィスに最適なネットワークカメラ構成を検討する際の参考にしていただければ幸いです。



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