オフィスのガラス間仕切りは本当に有効?
おしゃれなオフィスやお店なんかでも最近よく見る、ガラス張りのパーテーション。開放感や視認性を確保しつつ、ゾーニングや会議室のプライバシーを両立できるのがガラス間仕切り(ガラスパーテーション)の魅力です。
働き方改革、ABW、フリーアドレス化が進む中で、レイアウト変更にも柔軟に対応できる可動式の需要も増えています。今回は、「ガラスパーテーションを導入するに押さえるべき基礎知識」。そして、種類・費用・防音や目隠しの工夫、工期と進め方までを実務目線で整理していきます!
※ABW:Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の略で、仕事の内容や目的に合わせて、働く場所や時間を自由に選択できる働き方のこと
ガラス間仕切りのメリット
ガラス間仕切りのメリットは意外とたくさんあるんです。例えばこちら↓↓
- 開放感・採光性:自然光の回遊で執務エリアの明るさを底上げ。
- 視認性・安全性:見通しが利き、来客動線や防犯面の把握が容易。
- ブランディング:ロゴサインやフィルムで企業らしさを演出。
- レイアウト柔軟性:乾式工法や可動タイプなら解体・再利用がしやすい。
デメリットはある?その対策は?
一方、デメリットとしては大きく以下の4点が挙げられますが、これらは対策もできますよ!
- 音漏れ:天井ふところや床見切りからの回り込みが課題。
(対策例)
・隙間を最小化する枠納まり+気密材の採用天井までのフルハイト+上部遮音(梁下納まり等)
・合わせガラスや厚板化、吸音天井・カーペット併用 - 視線・プライバシー:全面透明は会議や面談に不向き。
(対策例)
・すりガラス(フロスト)や目隠しフィルムの帯貼り
・腰高のみ目隠し、必要時のみ閉じるブラインド内蔵
・来客側のみスモーク、執務側は視認性確保などの片側処理 - 衝突・安全:意匠によっては気づきにくい。
(対策例)
・ガラス注意シール、ライン意匠、飛散防止フィルム。 - 結露・清掃:水回りや外気差がある区画は配慮が必要。
(対策例)
・換気計画、コーティング、清掃動線の確保。
ガラス間仕切りの主な種類と仕様
ガラス間仕切りにそんないろんな種類があるの??と思われる方も多いかもしれません。実はいろいろあるんです。
まず、フレームの違い
- フレームレス(ボルト固定・チャンネル納まり):最もミニマル。高い意匠性。フレームが無いのもおしゃれです。
- スリムフレーム(アルミ・スチール):コストと強度のバランスが良い定番。選ばれやすいです。
- ハイフレーム(意匠フレーム):インダストリアルや重厚な印象を演出。
ガラスの種類もいろいろ。特徴がそれぞれ違うので、適したものを選びましょう!
- 強化ガラス:一般的。割れても粒状で安全性が高いのが特徴です。
- 合わせガラス:中間膜で遮音・安全性を強化。防音性をより高めたい、という場合におすすめ。
- 低反射・高透過・着色:用途やブランド基調に合わせて選定しましょう。
- 調光(スマート)ガラス:通電で「透明⇄不透明」に変更できるやつです。会議室の間仕切りとして人気ですね。
ドアのバリエーション
- 片開きドア:気密性を確保しやすい。オートクローザーやオートロックも可能になります。
- 引き戸(スライディング):通行量が多い箇所や省スペースに適しています。
- 框ドア・フレームレスドア:デザインと強度を考慮して選定できます。
用途別の設計ポイント
続いて、会議室や休憩室、などどんな空間に使用する間仕切りなのか、用途に合わせた設計のポイントをまとめていきます!
会議室や打合せ室なら
- 会議室は遮音+目隠しが大切なポイントです。その場合、腰高までフロスト帯+合わせガラスが定番で人気となっています。
- オンライン会議での利用も想定して、天井吸音・床カーペット・ドアの気密で残響と漏れ音を抑制できると最高ですね。
エントランス・来客エリアなら
- エントランスはオフィスの顔。応接室などの来客エリアもガラス張りにするならデザイン等に配慮したものにしたいですね。大事なのは視認性とブランディングを重視すること。ロゴサインやピクト、導線をガラス面で演出するとかっこいいです。
- サイン・看板計画と同時にフィルム意匠を決めると統一感が出て素敵な印象にできます。
執務エリアのゾーニングなら
- 固定壁で区切らず、可動タイプで将来の増員・席替えに対応するようにできようなシステムにできると便利です。
- 集中エリアは目線カットを強めに。コラボエリアは透明度を高めるなど透過率の使い分けが有効となりますよ。
法規・ビル管理の基本確認
間仕切り工事となると、避難経路や消防設備などのことも考えて施工を行わなければなりません。以下の事項を確認しましょう。
- 避難経路・建具の開閉方向:非常時の動線確保を最優先に。
- 消防設備との干渉:感知器・スプリンクラー・非常照明の遮蔽回避。
- ビル管理規程:共用廊下側の意匠や透過率、施工時間帯、騒音規制など。
- B工事・C工事の切り分け:テナント工事区分を事前に確認。
費用相場の考え方とコストダウン術!
費用はガラス種類(厚み・合わせ)、フレーム仕様、ドア数、天井高、法規対応で大きく変動します。見積を比較する際は単価だけでなく、下記の内訳差に注目してください。
- ガラス材・金物(フレーム、ドア金物、床・天井見切り)
- 施工費(搬入経路・養生・夜間対応の有無)
- 付帯工事(電気・空調・サイン・フィルム・セキュリティ)
- 申請・調整費(ビル管理、消防協議、図面作成)
コストダウンのヒント
- 標準フレーム+規格ドアで特殊金物を減らす。
- 部分フロスト帯で目隠しを確保しつつ材料費を抑える。
- 天井の梁下で高さを最適化し、ガラス枚数や重量をコントロール。
- スケジュール調整で夜間・休日施工を最小化。
工期の目安と進め方
- 現地調査・要件整理(1〜2週間):寸法・設備・ビル規程を確認。
- 基本設計・概算見積(1〜2週間):仕様・意匠・防音目標を確定。
- 実施設計・発注(1〜2週間):図面承認、ガラス加工手配。
- 施工(1〜5日規模感):面積・ドア数・付帯工事で変動。
- 検査・引渡し:建具調整、フィルム・サイン最終チェック。
※上記は一例です。ビル指定や消防協議が入る場合は前後します。
最後に、間仕切り工事についての「よくある質問」をまとめてみました
防音はどこまで期待できますか?
会話の内容を完全遮断するには多層構成や気密ディテールが必要です。オンライン会議の同時開催を想定し、合わせガラス+気密ドア+吸音内装の組合せで計画するのが現実的です。
目隠しのバランスはどう決めるべきですか?
来客動線側はフロスト帯、社内側は透明など面ごとに使い分けが有効。腰高から目線までの高さに帯を入れると心理的な安心感が高まります。
調光ガラスとフィルム、どちらが良いですか?
調光ガラスはワンタッチで透明・不透明を切替でき意匠性が高い反面、コストと電源手配が必要。フィルム+ブラインドは導入しやすく、メンテや交換も柔軟です。
オフィスレイアウト神戸に依頼するメリット
- ワンストップ対応:オフィス移転、レイアウト設計、家具、内装、パーテーション・間仕切り、電気・照明・空調、配線・ネットワーク・LAN、OAフロア、サイン・看板、ラグジュアリー家具、物件探し、セキュリティ、クリーニング、地震・防災、原状回復、オフィスグリーン、ノベルティ制作まで一括対応。
- 法規・ビル調整に強い:消防・管理規程との整合を踏まえた実務設計。
- コストと意匠の最適化:標準化とディテール設計でムダを削減。
無料相談から引渡しまでの流れ
- 無料相談・現地調査(オンライン可)
- 基本プラン・概算見積のご提示
- 実施設計・各種調整(消防・ビル管理)
- 施工・品質検査・引渡し
- アフター対応(レイアウト変更・追加工事・清掃)
導入チェックリスト(コピーしてご活用ください)
- 用途(会議室/来客/ゾーニング)と必要遮音レベルは定義したか
- 目隠しの範囲と意匠(フロスト帯・ロゴ・サイン)は決めたか
- ドアの種類・開閉方向・オートクローザーの要否は決めたか
- 消防設備・非常照明・避難経路への影響を確認したか
- ビル規程・施工時間帯・騒音ルールを確認したか
- 電気・空調・LAN・サインなど付帯工事の見落としはないか
- 清掃・メンテナンス、将来のレイアウト変更に対応できるか
まとめ
ガラス間仕切りは「開放感」「視線コントロール」「遮音」「法規対応」の四点をバランスさせるのが成功のコツです。仕様選定とディテールの積み重ねで、使い勝手と美しさは大きく変わります。まずは現地調査と要件整理から。オフィスレイアウト神戸が設計・施工・各種調整まで伴走します。